「もっと勉強しなければ」
推薦で高校進学が決まった子が、言っていた言葉。素直にそう思わせたということは、本当にうれしい確かに塾という立場では、合格させることが第一義なのだが、子供たちにとっては、合格してからも大事になる。推薦がとれたらもう、勉強をしたくないと思う子がいるのは珍しくないこういう子にとっては、勉強は目先を突破する手段にすぎない。それはそれで否定しないが、当座しのぎの勉強はやる気を向上させることにはらないだろう。私はよけいなお世話かもしれないが、子供たちのその後を気にしている。進学してから、学校を卒業して社会にでてからも、自分のできるところでしたたかに生きていくすべを身につけてもらいたいと思っている。子供たちはいろいろな能力を持っている。勉強ができるかどうかは、そのたった一つの尺度にすぎない。各人の能力を生かしてしたたかに生きていかなければならない。その多様性こそが大事なのだと思う。多様性は、生物の基本でもある。個性があるからそれでいいわけではないどっかの歌のように、オンリーワンで良いなどときれいごとを言うつもりはない。個性を発揮するためには、その訓練が必要だ。その場が、子供たちにおいては勉強なんだと思う。長い目で見て、勉強する本当の価値、大事さを伝えていきたいだからこそ、冒頭のせりふはうれしかったのである。