怠惰をどう克服すべきか?(今年を振り返ってパート2)
今年後半、特に悩んだのがこれ。生徒の怠惰な気持ちをどう克服させるか?定期テストで5科目300点に達しない子、250点前後をうろうろしている子は、基本的に学習に対して怠惰であると言って良い。圧倒的な勉強不足に起因していることは明らか。覚えることをきちんと覚えていない、基本問題をできるようにしていない。宿題を出してもきれいにスルー。テストするから練習しなさい、と言ってもやってこない。これで成績を取れ、と言う方が無理である。何度も書いているが、うちの学区の場合、オール3(少し2が混ざる場合も含む)では、予想以上に都立高校の進学先がないのである。このくらいの成績では、偏差値で言うとだいたい45前後で、それに相当するいわゆる中堅下位校がすっぽり抜けてしまっている。結局まごまごしていると、さらにランクを下げざるを得なくなる。学歴を無条件に礼賛するわけではないが、大学進学を考えると厳しくなる。もちろん高校入学後、覚醒することもあるが、あくまでも確率論。何となく中学生活を送り、何となく入れるところに入る。当然、学習意欲は低い。不幸にも、途中でリタイアする子もでてくる。(東京都だけでも、年間3000人ほどいるらしい)そんな環境で、覚醒するのがいかに確率が低いか?周りとの関係を必要以上に気にする思春期の子達にとって、環境というのは予想以上に大きい。よしんば無事に卒業しても、何となく社会にでてしまうだけ。結局どうして良いかわからないので、当座の生活のためにアルバイト・・・で、そのまま時が経つ・・・専門学校に進学する手もあるが、何となく進んでしまった場合、問題を2年間先送っているだけとも言える。しかしそんな彼らが、勉強はもうあきらめているかというと、そんなことはない。だが、現実の一歩が踏み出せない。理由はいろいろだが、結局ダラダラして時間だけ過ぎる。甘い。自己責任。と言ってしまえれば簡単なのだが、正直言って、まだまだ自分がわかっていない彼ら。目先の快楽が優先されてしまっている。幼いと言ってしまえばそれまでなのだが、幼いまま社会に放り出してしまっては、大きな損失ではないかと思うのだ。彼らの適性などわからない。わからないからこそ、今あることに真剣に取り組ませ、少しでも将来を考えた進路を、周りの大人が用意してあげなければならない。つまり、スタートまではある程度形作ってあげないと無責任だと思うのだ。これが来年以降の大きな課題なのだと思う。しかし口で言うのは簡単だが、実践は非常に難しい。子どもとはいえ、彼らの文化を変えていくのは、徒労に近いことも多々ある。家庭にお願いすることもあるだろう。もはや、一私塾の範疇を超えているのは明らか。とはいえ、あくまでも個人塾。どうせ大人数を相手に商売しているわけではない。うちの価値をわかってくれて来ている人ばかりなのだから、やり方はいくらでもあると思っている。そして何より、生徒の現状は、私の鏡でもある。まだまだ教務面でやれることはあるのではないのか?自分への叱咤激励だと思っている。相手を変えようと思ったら、まずは自分から。そういう意味でも反省すべき点は多い。自己を省みつつ、年の瀬を迎える。来年もよろしくお願いします。