根底は同じ
リオ五輪が終わった。開幕前はあれこれ言われてたが、メダルラッシュになり、後半にかけて盛り上がった気がしてる。こういうとき、立場上の常として、指導者の方を注目する。そこで対照比較されるのが、柔道の井上康生監督と、シンクロナイズドスイミングの井村雅代コーチ。今までの柔道は、猛特訓の末金メダルを勝ち取るという、昭和のスポ根物語を彷彿させていた。今回もそうだと思い、選手が銅では・・・という雰囲気を見て、まだそういう体質なんだなと思っていたら、実は大きく違っていた。一言で言えば、選手を大事にする。だから選手は、監督のために! となる。柔道の全日程が終了後、監督の涙がすべてを物語っていた。それに対して井村コーチ。1日12時間の特訓。相変わらずのスパルタ。見た感じ、大阪のきつそうなおばさんなんだけど、インタビューの様子を見るとまるで雰囲気が違う。言い方悪いかもしれないが、孫をかわいがるおばあちゃんという感じ。二人に共通していえるのは、選手に対する深い愛情。その表現の仕方が違うだけ。だから選手はついてくる。指導過程の断片だけをとらえると、ブラックだとか言われることもあるだろう。でもね、ある程度指導は厳しくしないと成果が出ないことがある。自主性にまかせているだけではどうにもならないことは、往々にしてある。体罰や罵倒を容認しない。しかし、厳しさは絶対に必要である。どちらも指導には厳しかったんだと思う。で、表に出てくるのが、井村コーチは剛 井上監督は柔それだけの違い。師弟関係というのは、表から見ただけでは絶対にわからない何かがある。表面的にやいのやいの言うのは、現場をあまり知らない評論家にまかせておけば良い。