高校中退によって突きつけられる現実とは
文科省の調査によると、2015年度の高校中退者は、全国で約49,000人。率にして1.4%。 以前から大体、率は変わらない1~2%前後。 せっかく高校に進学しても、100人に1~2人はやめてしまう現状。 これを多いか少ないかは意見が分かれるが、人数にするとやはり驚く。 東京ドームが満員になる位の高校生が毎年辞めていると言うことである。理由はいろいろあるだろうし、ここでは詳細は触れない。(もともと高校生活に興味が持てないというのも結構いるらしく・・・)ここで大事なことは、中退=学校に行かなくなるという単純な図式ではなくなる。いきなり社会に放り出されるのである。今まで学校という枠の中にいたから、世間からも生徒とみられていた。しかし中退することで、学歴が中卒の社会人となるのである。ただ、まだ親の庇護の元に生活しているのが多いので、直接の生活は朝起きても学校行かないという以外に変化はない。3食付いて、自分の居場所も確保されている。最初のうちは解放感もあるだろうが、そんな生活はせいぜい数ヶ月続けば良い方。次第に自己の置かれた現実に気がつく。じゃあどうするか?働くとは言っても、自分の持っているスペックを考えると、アルバイト位しかないだろう。その後の調査でも、やはりそのパターンが一番多く、大体40%。もちろん、その後他の学校に入り直す人もいる。これが大体20%(残りは無職のままと、就職が半々位らしい)都立高校は中途入学を受け入れているが、これが結構見た目と違ってやっかいな制度で、思ったようにうまくいっていないのが現実。そもそも同じ普通科とは言っても、授業の進め方は学校によって結構違うので、仮に高1の1学期で辞めたからと言って、他の学校に高1の2学期から無事に転学できるとは限らない。今まで取った授業と、取らなければならない授業を比較して、転入先の学校でそのまま受けられれば良いが、もうすでにその科目の履修は終わってるため不可、ということも珍しくない。結局、もう一度留年と同様にやり直すこともあり得る。思ったほど簡単ではないんですよね。じゃあ、通信制?多分これが一番現実的だが、全日制よりも縛りが緩い分、よほど自分を律する覚悟がないとなかなか卒業までには至らない。卒業できて当たり前という世界ではないのだ。社会に出て働こうにも、中卒扱い。転学しようにも様々な問題一旦学校という枠を外れると、いきなり現実が待っているこれが卒業だと話が大きく違う。社会に出る準備をしていくからね。もちろん、いろいろな理由はあるので、なにがなんでも中退するな とは言わない。積極的な進路変更はあり、である。ただし、積極的 というのが条件だろう(もう一つ追加高卒認定試験をとって、大学受験を目指すという手もある。一種のショートカットだが、これはこれでそれなりに大変。ただ、ある程度学力はあるのだが、学校になじめない場合は有効な手段)だから生徒にはよく言ってる。日々なんとな~く勉強して、なんとな~く進路を選んで進学すると、なんとな~く辞めるかもよ って。高校入るときは15歳。そろそろ自分の進路について真剣に考えて選ぶようにしようねって。なんとな~く どうにかなるものではない。仮に選んだ先が自分に合わないと思っても、真剣に選んだ結果ならば、必ず解決策は出てくる。なんとな~くだと、なんとな~くしか解決策は出てこない。ズルズル時間だけが過ぎていく?楽かもしれないが、もったいなくないですか?自分の人生は、最終的には自分で作っていくもの。周りのせいにしても、その場は収まるかもしれないが、積極的ではない。中退が絶対にダメとは言いませんしかし、どのようにせよ、積極的に解決方法を見つけていかないと、損するのは自分。そう考えれば、今なにをすべきか?起こったことに対してなにをすべきか?見えてくるはず。ちなみに、うちで高校生になっても通ってくれていたら、中退という選択肢はないと思う。したたかに生きていく方法は教えてあげられるつもり。高校行ったら自分で勉強する、という選択肢はあまり得策ではないなと、いつも思ってる(小声)自画自賛失礼しました。平成29年9月7日(木)大田区 松栄塾