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カテゴリ:・漢字指導
この8月の漢字指導法研究会夏季アカデミー基本提案の おわりにで榎本裕也先生は次のように述べています。
以前、クラスの子どもたちに、漢字学習についてのアンケートを実施しました。 多くの子どもたちが、
漢字の意味や使い方を調べたり、教わったりできるから自分の力になると答えました。
言葉を集めたり、文を作ったりすることがおもしろいのです。 友達の文を聞くのが楽しいのです。
ある子は、1セット5過程の魅力を、「友達のことがわかること」と答えました。
友達が作った文はその子の自身のものです。 その子の内言が作った文です。 その子の人格が表れています。 その子自身です。
1セット5過程の指導の中で、子どもたちは、
互いに聞き合い、 学び合って育っていきます。
認め合う、高め合う学級づくりにつながっていきます。
漢字学習を通して、子どもたちは新たな文字を知るだけでなく、
新たな言葉に出会います。
自分にないものの見方や概念に出会います。
言葉の世界が広がっていきます。 内言が豊かになっていきます。
「勉強は大変です。苦痛です。」それもまた事実ですが、
本来、学ぶとは「希望」そのもののはずです。
新しく知ること、わかるようになること、
できるようになること、新しい自分になること。
学ぶことは喜びそのものです。 子どもたちは、みな成長したいと思っているのです。
できないことを子どものせいにせず、 常に自らに改善を問う教師でありたいものです。
新出漢字の指導一回一回が、 子どもたちにあたえる影響は微々たるものかもしれません。
しかし、その積み重ねが子どもたちの力を着実に育てていくのだと信じています。
【参考資料】
・「大久保忠利著作選集 全6巻」(大久保忠著作選集編集委員会 三省堂 1992)
・「たのしく学ぼう漢字」(田村利樹・乗木養一・紺屋冨夫編著 ルック 2003)
・「ヴィゴツキーに学ぶ 子どもの想像と人格の発達」(中村和夫 福村出版 2010)
・「『言語活動の充実』のために―L.S.ヴィゴツキーの言語発達論に則して―」(青柳 宏)
次回に続きます。 もし、この記事、少しでも、ためになることがありましたら、 下記クリックしてくださるとありがたいです。
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