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カテゴリ:大切なひと
ちょっと日記をご無沙汰しました。 この3日間、大阪、岐阜、名古屋とはしごをし、 夕方帰ってまいりました。
この3箇所の遠征では、どれも大きな出会いや気づきがありました。
まずは、「大阪」から・・・
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15年以上ぶりの、中学吹奏楽部の集まりと演奏。 再会の場は、大阪府内某市の文化会館だった。 中学時代、演奏会を開いたのもここ、 コンクールの予選があったのも、ここ。。。 そして、久しぶりの再会と先生を招いての演奏を予定したのも、この会場。
仲間同士、再会の喜びを歓声で確かめ合うのもつかの間、 退院したばかりの先生が登場した。
うわさどおり、げっそり痩せた先生・・・ 昔はなかった白髪も。 飲み物以外、口には入れられないとのこと。。 ガンであるという事実が、いやでもこちらに伝わってくる姿だった。 それでも、声を聞くとやはりあのときの先生のまま。 最近調子が悪いのだけれど、今日はいいと言って、 指揮台に立った。
久しぶりのみんなでの合奏。 みんな、思うようになんて、現役時代のようになんて、 全然吹けない。 ずれたり、音が出なかったり、息が続かなかったり、あちこちでミス連発。 でも、みんな必死で着いていこうとしていた。 先生も、手を抜いたりしなかった。 背筋を伸ばして立って、いつものあの鋭い目で、 私たちから贈られた新品の指揮棒を使って、 全体を見渡し、曲に体を乗せていた。 細くて、筋張った先生の肩。 それ以外は、あのときのままだった。 わたしには、周りの仲間が、中学の制服に身を包んでいるように見えた。
一曲終えるごとに、みんなかもれる「ふぅっ」というため息と、ちょっと苦笑。 でも、 ここで演奏している、先生の前にまた集まれた!という感動が、 ずっとわたしたちの根底を流れていた。
先生は、曲の合間に私たちに語りかけた。 「着実に悪くなっているのを感じます。 でも、負けるつもりはありません。 負けるつもりはありません。 みなさんから、「気」を送ってください。」
大事なことを二回言うのは、先生のクセ。 変わらないな。 負ける気、ないんだね。 「気」なんて、いくらでも送るよ。
奥様に付き添われて、最後に何度も 「ありがとう」と言って帰られた先生。 「ありがとう」って、そんなに言わないで欲しいな。 終わりみたいじゃない? 「もっと練習しとけ。」って言って欲しいよ。 今日はロングトーンで息が続かなくて、わたしは曲の途中で休んでました。 ごめんなさい(笑) 次は、今日よりはましに吹けるようにします。
先生、まだ57歳でしょ? 今日来てたお孫さんだって、まだ10ヶ月でしょ? おじいちゃんの出番、これからだよ。 今日は目を細めて抱っこしていただけだけど、 そのうち追いかけなくちゃいけないよ。 幼稚園にも行くよ、小学校にも行くよ。 今よりもっとかわいくなるんだよ。 ちゃんと見届けて・・・
わたしたちも、これじゃまずい!ってことで、 もっと練習しよう、第2回を企画しよう、という話が出ています。 また先生に指揮してもらいたいんだから・・・
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