今知らねばならないこと
7月21日付の『赤旗』に、共産党の志位委員長の講演が掲載されていました。不明を恥じつつ紹介いたします。 まず、自衛隊がイラクのサマワに行ったときにどんな武器を持っていったか。110mm対戦車弾、84mm無反動砲、12,7mm重機関銃。イラク派兵の際の訓練。「制圧射撃の訓練」。「制圧射撃とは、機関銃などで連続射撃を加え続け、弾幕をはって敵に損害を与え、その自由行動を阻止する射撃の事」 イラク戦争当時、パウエル国務長官の首席補佐官だったローレンス・ウィルカーソン氏のテレビ朝日のインタビュー(14年5月) 「もし日本がイラク戦争当時に集団的自衛権の行使ができたら、米国は日本政府に参戦するよう要請したか?」 「イエス。実際我々は、政治的支援か軍隊の派遣を求める戦略をまとめていました。もし日本が軍隊をどこにでも派遣できる準備が整っていたら、私は日本から部隊を二つ送るとその戦略に書いたでしょう」 そして、日本は、「トンキン湾事件」についても「大量破壊兵器」問題についても、日本政府は米国政府の発表を無条件に支持する態度を取ってきた。そして、どちらの問題についても、ねつ造であることが判明した段階でも米国政府に説明も求めず、何らの検証も行わず、現在になっても、当初アメリカの発表を無条件に支持したことの誤りを認めていません。 トンキン湾事件については、米国では歴史的検証の作業が長年にわたって行われ、国家安全保障局は、2005年に「トンキン湾事件」についての分析を発表しています。 大量破壊兵器の問題について、志位氏は、イラク戦争の当時首相官邸で安全保障・危機管理担当の官房副長官であった柳沢協二氏の著書(『検証 官邸のイラク戦争 元防衛官僚による批判と自省』)を紹介しています。 「(説明を求めれば)アメリカの情報について検証と説明を求める前例となるばかりか、核の持ち込みなど過去の問題についてもアメリカの説明に関する検証が必要になる。アメリカへの検証・説明要求は『パンドラの箱』を開けることになりかねなかった」 ただ言われるままに従う。「対米従属」というおよそ主権国家としては考えられない従属ぶりです。 ☆他にも紹介したい箇所は多数あります。現在、赤鉛筆片手に精読中です。こんなことも知らなかったのか・・と恥じ入るばかりですが。 表面上は、復興支援、非戦闘地域での活動を標榜していた自衛隊の活動の実態。これから突き進もうとしているのは、本格的な戦闘が予想される事態です。携行する兵器もグレードアップするでしょうし、そのための訓練も「制圧射撃」のレベルを越えたものになることは十分に予想されます。アメリカがもっとも望んでいるのは、「アメリカのために世界のどこにでも行ってくれる自衛隊」です。アメリカの高官の発言がそれを裏付けています。 アメリカ政府は、関西テレビでの安倍の「説明」をどんな気分で見ていたか、知りたいところです。いま、明らかにされねばならないことは、日本政府が何を説明しているかではなくて、「集団的自衛権容認」に踏み込んだ日本に対してアメリカが何を期待しているかでしょう。それがもっともわかりやすい。 せんじ詰めたところ、「日本は自国の安全を守るためにはアメリカに頼るしかない。だからアメリカの要求ものまなければならない」、これは、関西テレビの番組内での安倍の発言です。