進撃の巨人 Season 3 第55話 白夜
進撃の巨人 3 #55 (3期18話) 『 白夜』 ☆前のお話は → 「第38話~第54話 あらすじまとめ」★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」 「こうなること、わかってたはずなのに...でも、お前の力に頼るしかなくて...」 「アルミン...お前はどうして逃げないんだよ...」 「巨人?」 「クソ。それ以上近づいてみろ。こいつを奪われるくらいなら殺すからよ」 「お前がエレン・イェーガーか? 全然親父と似てないな...」「何...?」 「信じてほしい。俺はお前の理解者だ。俺たちはあの父親の被害者...お前は父親に洗脳されている」「父さん?」リヴァイがジークを追って来た。「おい、嘘だろ。ここまで追ってきやがった...わかったよリヴァイ。痛み分けで手を打とう...ベルトルト...悪いがお前はここまでらしい」 「エレン。いつかお前を救い出してやるからな」「は...?」 「今のでガスが完全に切れた。やつを追う。ガスと刃すべてよこせ」アルミン:「ゴホッ」 「ライナー。この左胸に入っていた鉄のケースは何だい? 君が手足を切り落とされる前、最後の力で取り出そうとしたものだぞ。自決用の薬? それとも爆弾か?」」 ライナー:「手紙...ユミルの手紙だ。クリスタに...必ず...渡してほしい」 「中身を改めてからね。さて、君に聞きたいことは山ほどあるんだけど...君の口も鎧のように堅そうに見える...君は、私たちが知りたいことを教えてくれるかな?」 ライナー:「いいや」 ハンジ:「ありがとう。覚悟ができてて助かるよ」 ジャン:「待ってください。いいんですか? その力...奪えるかもしれないのに」 ☆エルヴィン団長の話「今日説明するのは、この注射薬の最も有効な活用法についてだ。この薬を使えば超大型巨人や鎧の巨人、獣の巨人らの力を奪うことができる。その術とはこの注射を打たれたものが巨人となり、エレンのように巨人化できる人間を食うこと。そうすことで一旦は知性のない巨人となった者も人間に戻り巨人の力を操る人となるのだ」 「それが果たせれば巨人の力や情報を得られるばかりではなく、瀕死に至った人間をも蘇らせることができる」 「もし巨人の力を持つ敵を捕らえ四肢を切断した後、安全が確保されたなら、リヴァイ兵士長を呼び求めよ。注射器はこの1本限り。その使用権はリヴァイ兵士長に託してある」 ハンジ:「私は条件がそろったとは思わない。今はリヴァイやあちらの状況がわからない。それを確認する時間も余裕もないと思う...なぜなら、こいつらの底力は我々には計り知れないからだ。首を刎ねてもまだ安心できないよ」ジャン:「ハンジさんらしくないですね...わからないものはわからないと蓋をして、この先どうやったら俺たちは巨人に勝てるんですか。俺たちが巨人を計り知れるようになるのはいつですか?」ハンジ:「ミカサ。ガスはあとどれくらいある?」ミカサ:「もうほとんど残ってません...ですがエレンとアルミンの元への片道分はあります」ハンジ:「私よりはあるな...ミカサ、すぐにエレンたちの状況を見てきてくれ。そしてガスを補給しリヴァイから注射器をもらってこい。何らかの理由でそれが叶わない場合には信煙弾を撃て。それを合図にライナーを絶つ」ミカサ:「了解です」ジャン:「ハンジさん...俺は...」ハンジ:「私の判断だ。君のは判断材料」ジャン (俺は...何だ? まさか、この期に及んで...) エレンたちのところにミカサが到着。エレン:「やった...アルミンが息を吹き返した! がんばれ、もっと息吸え...兵長、注射を早く。アルミンを巨人にしてベルトルトを食わせるんですよ。早く注射をください!」 ジャン:「ハンジさん!」 コニー:「ライナーを奪われました。ハンジさん」 ハンジ:「コニー。追わなくていい。もうガスはわずかしかない...返り討ちにされるだけだ」ジャン:「クソぉ!! 俺のせいです...俺が...取り返しのつかないことを...」ハンジ:「私の判断だと言ったろ。エレンたちと合流しよう」 フロック:「リヴァイ兵長...やっと追いついた...」 「エルヴィン団長が重症です。腹がえぐれて内臓まで損傷しているため血が止まりません...例の注射が役に立てばと思ったんですが、どうでしょうか...」 「...まだ生きてる...この注射はエルヴィンに打つ」「さっき、アルミンに使うって...」「俺は人類を救える方を生かす」 ジーク:「ライナー...お前は運がよかったね」 「お前ら自分で何をやっているのかわかっているのか」(ここから49話のED部分の話) 「エルヴィンを、調査兵団団長を見殺しにしろと言ってるんだぞ。時間がない。邪魔をするな...エレン、私情を捨てろ」「私情を捨てろ? さっき、注射をすぐに渡さなかったのは何なんですか」「エルヴィンが生きている。その可能性が頭にあったからだ」 「フロックが瀕死の団長を運んでくるなんて、まったくの予想外だったはずです」「その通りだが、ここにエルヴィンが現れた以上エルヴィンに使う」リヴァイがエレンを突き飛ばす。 ミカサ:「だあぁぁぁ...(力が弱ってる。力づくで奪える)」リヴァイ:「お前らもわかってるはずだ。エルヴィンの力なしに人類は巨人に勝てないと」 エレン:「ア...アルミンがいなくたって...無理だ...トロスト区を岩で塞いで守ることができたのも...アニの正体を見抜いたのも...夜間に進行することを思いついたのもアルミン...潜んでいたライナーを暴き出したのも...ベルトルトを倒すことができたのも、全部アルミンの力だ...人類を救うのは俺でも団長でもない。アルミンだ。そうだろミカサ」 フロック:「人類を救うのはエルヴィン団長だ」 ミカサ:「黙ってて」フロック:「黙ってられるか...お前らばっかりが辛いと思うなよな...まだ知らないだろうけど、あの壁の向こう側に生きてる兵士はもう誰もいねえ...獣の巨人の投石でみんな殺されたんだ...誰も助からないと思った。でもエルヴィン団長だけは違った。あの状況で獣の喉笛に食らいつく算段を立てて実行した...みんな作戦通りバラバラに砕けたよ...最後に感じたことは...きっと...恐怖だけだ...」 「まだ息がある団長を見つけたときは...トドメを刺そうとした。でも、それじゃ生ぬるいと思った...この人にはまだ地獄が必要なんじゃないかって...そしてわかったんだ...巨人を滅ぼすことができるのは悪魔だ。悪魔を蘇らせる...それが俺の使命...それが、おめおめと生き残っちまった俺の意味なんだよ...だから邪魔するなよ!」 フロックに斬りかかろうとするミカサを合流したハンジが止めた。 「私たちにはエルヴィンがまだ必要なんだ。あの壁の中で希望の灯火を絶やしてはならないんだよ」「それは、アルミンにだって...できる」「確かにアルミンは逸材だ...だがまだエルヴィンの経験と統率力が...」 「私にも、生き返らせたい人がいる...何百人も...」 「調査兵団に入った時から別れの日々だ...」 モブリット:「ハンジさん!!」 「でも、わかっているだろ。誰にだっていつかは別れる日が来るって」 「とてもじゃないけど受け入れられないよ...正気を保つことさえままならない...つらい、つらいよ...わかってる...それでも前に進まなきゃいけない...」 「兵長...海って...知ってますか? いくら見渡しても地平線の果てまで続く巨大な湖だって...アルミンが...この壁の向こうにある海をいつか見に行こうって...でも、そんなガキの頃の夢は俺はとっくに忘れてて...母さんの仇とか巨人を殺すこととか...何かを憎むことしか頭になくて...でも、こいつは違うんです...アルミンは戦うだけじゃない...夢を見ている」 「全員ここから離れろ。ここで確実にベルトルトをエルヴィンに食わせる」 「アルミン...またな...」 「だから、まずは海を見に行こうよ。見てろよ。絶対あるんだから」 (まったく...どいつもこいつも...ガキみてえに喚き散らしやがって...) 「俺は...このまま地下室に行きたい...」 「みんな何かに酔っぱらってねえと、やってられなかったんだな...みんな、何かの奴隷だった...」 「エルヴィン?」 「先生...壁の外に人類がいないって...どうやって調べたんですか...?」 「夢を諦めて死んでくれ...獣の巨人は俺が仕留める」「リヴァイ、ありがとう」 「みんな!! 助けてぇー」 「うわぁぁぁ!! アニ! ライナー!」 フロック:「兵長...どうしてですか?」リヴァイ:「こいつを...許してやってくれないか」 「こいつは悪魔になるしかなかった。それを望んだのは俺たちだ...その上、一度は地獄から解放されたこいつを、再び地獄に呼び戻そうとした...だがもう、休ませてやらねえと...」 「エルヴィン...獣を仕留める約束だが...まだ先になりそうだ...」「...もう、死んだよ...」「...そうか」 ★次回 「地下室」