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カテゴリ:Ballet
公演からもう一週間以上経ってしまった。
忘備録として 『海賊』第3幕よりオダリスク 音楽:A.アダン 振付:M.ルグリ 出演:ニキーシャ・フォゴ、ナターシャ・マイヤー、芝本梨花子 ウィーン国立は来年『海賊』をひっさげて来日するので、そのプロモーション的出し物でもあるのだろう。美しい脚のバレリーナたちが破綻なく踊った。音の取り方は三者三様で、その辺は日本のバレエ団とは違うな。私の好みではナターシャ・マイヤーがイチ押しだ。 『ライモンダ』第1幕よりアダージョ 音楽:A.グラズノフ 振付:R.ヌレエフ 出演:ニーナ・ポラコワ、ヤコブ・フェイフェルリック パリオペラ座で全幕を観たいなと思ってしまった。でも、今のエトワール勢でこれを完璧に踊れるダンサーも少ないんじゃないかなとも思った。 ライモンダのニーナ・ポラコワは気品があって健闘していたけれど、ヤコブくんはいっぱいいっぱいだった。 『I have been kissed by you…』 音楽:M.リヒター 振付:H.マルティン、P.d.バナ 出演:エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ 『…Inside the Labyrinth of solitude』 音楽:T.ヴィターリ 振付:P.d.バナ 出演:ジェロー・ウィリック 作品がどうのこうのということより、若いダンサーが力の限り踊りきったということに感動した。相当体力のいる作品だろう。大きなホールでソロで踊って万雷の拍手をもらった経験が、このダンサーにとって飛躍するきっかけになればいいな。あと、振付したド・バナさんのカーテンコールでの舞台マナーは好ましく感じた。 『ラ・フィユ・マルガルデ』 音楽:F.エロルド 振付:F.アシュトン 出演:ナターシャ・マイヤー、デニス・チェリェヴィチコ キュートな雰囲気でラ・フィーユ・マルガルデでにはピッタリの二人。二人とも足先が綺麗ね。デニスくんはちょっとリフトが苦手かな。 『マニフィカト』より 音楽:J.S.バッハ(アニュス・デイ) 振付:J.ノイマイヤー(初演:シルヴィ・ギエム、マニュエル・ルグリ) 出演:ニーナ・トノリ、ヤコブ・フェイフェルリック 健闘はしていたが、こういう作品を踊って感動させるに経験不足。まだルグリ先生の生徒さんの域を脱していない。 『じゃじゃ馬馴らし』 音楽:D.ショスタコーヴィチ 振付:J.C.マイヨー 出演:オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン お久しぶりのスミルノワは素敵なプリマに成長していた。前に観たのは2013年の『マラーホフの贈り物 ファイナル!』でのオデットとオディールで、上手だけど何だかパキパキ踊るなと感じたが、化けたね。エレガントで綺麗で、、今度ボリショイの公演があったらスミルノワ主演の日を狙おうと決めた。 ロシアバレエの、決めの「どうだ!」っていうドヤ顔が苦手だったけれど、このカップルはそれがないのでいいわ。 『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』 音楽:P.I.チャイコフスキー 振付:G.バランシン 出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ キラッキラの中にスピーディーさもある『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』で、音と戯れているような踊りは観てて幸せな気分になれた。 『フェアウェル・ワルツ』 音楽:F.ショパン/ V.マルティノフ 振付:P.d.バナ 出演:イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ 年齢のことを言うのは野暮だとわかちゃいるけど、二人とも50歳越えとは思えないプロポーションとパフォーマンスで、現在進行形で五十肩に悩まされている私は奇跡を観ている気分になった。 ルグリ先生が素晴らしいのはもちろんだけど、ゲランさんの年齢不詳っぷりが凄くって(驚) ただただ「いい女」で年齢を重ねられるって、どうなってるんでしょう?? 『ローレンシア』よりパ・ド・シス 音楽:A.クレイン 振付:V.チャブキアーニ 出演:ニキーシャ・フォゴ、デニス・チェリェヴィチコ ナターシャ・マイヤー、芝本梨花子、ジェームズ・ステファン、ジェロー・ウィリック やはり古典は難しいのね。若い男性ダンサーふたりは、前半のコンテの時より30%魅力減になってしまっていた。こういう演目になると、デニスくんはプリンシパルなんだとわかる。 『Medea』 音楽:M.リヒター 振付:P.d.バナ 出演:エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ 好きか?と聞かれると微妙だけど、確かに魅力はあるお二人だとは思う。もうちょっと小さな箱、池袋のプレイハウスとかで観たほうがいいんじゃないかな。 最後のシーン、倒れたエレナ・マルティンに上着をかけたド・バナが魔術師っぽく見えて、「ワン・トゥー・スリー」とカウントして起き上がってきたらどうしようかと妄想してしまった。(すみません) 『アルルの女』より 音楽:G.ビゼー 振付:R.プティ 出演:イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ イザベル・ゲランのピュアな風情は精神性の高さを感じさせられた。パ・ド・ブレが美しくて、、 ぱっと音楽が鳴った瞬間にドラマが紡ぎ出される二人の踊りを堪能した。 『Movements of the Soul』 音楽:バルバトューキ、K.ディクソン、M.スタイン 振付:ニキーシャ・フォゴ 出演:ニキーシャ・フォゴ まだ若いだろうに、海外のガラ公演で自身振付の作品を踊らせてもらえるって幸せね。ルグリ先生は彼女を評価して期待しているのだろう。 ホリゾントまでまっ赤な照明でインパクトが強く、プリミティブで野性的な中に粋さもあるコンテンポラリーで、こういうガラ公演の中では印象が際立ったのが良かった。 『Murmuration』より 音楽:E.ボッソ 振付:E.リアン 出演:ニーナ・ポラコワ、ヤコブ・フェイフェルリック、ジェームズ・ステファン 最初3人で踊って、すぐに1人男性がひっこんでしまったら最後まで2人だった。3人いた意味は何だろう?と考えてしまった。 『海賊』第2幕よりアダージョ 音楽:L.ドリーブ 振付:M.ルグリ 出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ ロイヤルの来日公演を観に行かなかったことを後悔した。マリアネラ・ヌニェスの踊りが好きだ。テクニシャンなのは知っていたが、音楽性の豊かさが溢れてて、そして幸せオーラがあるのが素晴らしかった。マニュエルの本音は、プリマにはこれぐらいの技量と表現力を持ってもらいたいのだろうね。 『グラン・パ・クラシック』 音楽:F.オーベール 振付:V.グゾフスキー 出演:オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン あまりの美しさと完璧ぶりに、お口ポカーンで観てた。アダージオの3回のバランスで、あそこまで完璧なのは初めて観た。やはりロシアバレエは最強なのかなと、パリオペばっかり観てしまっている私でも思わされるほど。地味だけど、セミョーン・チュージンのサポートも名人芸なのかもしれない。一生想い出に残るグラン・パ・クラシックになった。 『Moment』マニュエル・ルグリ ソロ(世界初演) 音楽:J.S.バッハ/F.ブゾーニ 振付:N. ホレツナ 出演:マニュエル・ルグリ ピアノ:滝澤志野 もう踊れる演目は限られていて、『アルルの女』のファランドールは踊らなかったけれど、新しい作品で新たなルグリを見せてくれるのはさすが。セルフプロデュースもうまい。 バッハの音楽にのりながら、ちょっとおもしろい振りもあって、現在進行形の姿を観られて楽しかった。 もう踊らないの? そんな事言わずに。 年上のゲラン姐さんだって素晴らしい踊りを披露してくれているんだから。 とても盛りだくさんのガラで楽しかった。 (8月25日 東京文化会館大ホール) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.09.02 13:33:30
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