テーマ:中学生のこどもたち(41)
カテゴリ:子供のいる風景
最初に。 これは、今日の出来事じゃないんですけどね・・・。
先週、テニスの新人戦で団体戦も個人戦も一回戦負けだったお兄ちゃん。
個人戦は個人で戦うの?と聞いたら、ペアで戦うんだって。
団体戦の日に、テニスラケットを忘れたボケなすのお兄ちゃん。 ラケット忘れたことを駅まで届けて車から降りてから、ぼっけ~と気がついたあんぽんたん。 だけど、へらへらしていたボケなす。
二日目の個人戦の時に、帰宅時、バザーの品物を回収していたら道端で私に会ったお兄ちゃん。 口元がちょっととがって、死んだ魚の目をしていた。 テニスで負けたからではないな・・・とわかった。 (負けてもそんな顔しないんです。) これは、人間関係だ、とすぐ分かった。 昔、「ひとつ屋根の下」ってドラマで、のりぴーが役の中で言った。 「うさぎってね、寂しいと死んじゃうんだよ!」 これ、息子に当てはまるんです。 あの子は人の中にいて輝いている。 ニコニコ凄くうれしそう。 いつだったか、テニスの試合に主人が応援に行ったら、2回戦で負けたんだけど、 お昼タイムで、クラブのメンバーがまあるくなってお弁当を食べていた。 その真中で、すっごく嬉しそうにお弁当を息子が食べていたそうです。 円陣の中央です(^^;) とにかく、そんな息子の最大の打撃は、友達とうまくいかなかった時です。 テストの点も、親に叱られても、先生に注意されても、ラケット忘れても、試合に負けても(いいのか!?)、 息子を完全に打ちのめすことはない。
「どうした?元気ないね。」 「別に。」 「試合、一回戦負けだった?」 「うん。」 「それで気落ちしたの?」 「違うし。」 「何かあった?」 「何もない。」 口をへの字に顎に梅干し作っていた。 「貴公子くんと何かあった?」 (貴公子君は息子のペアの相手で、超いい子で、今まで二人で近所のテニスコートでずっとずっと真夏の頃もずっとずっと休日も練習していた。) 「何もない。」
ふう~ん。
と思いながら 「じゃ!お母さんバザーの品物を集めてくるから!」 と別れた。
その後、家族で図書館に行った。 図書館に行った時は、すでにブログで紹介した通りつんつるてんの息子でした。 図書館に行くよって、みんなで家を出る時も、口をへの字にして凄く暗かった。 尋常じゃないな・・・と気になって仕方がなかった。
図書館へは、普段私が乗る車で行った。 主人が運転席・息子が助手席・私と娘が後部座席。
私は、助手席の後ろの後部座席に座った。 首をかしげると、ドアミラーに息子の顔が映る。 未だ口元への字。
車が走り出すと、私が入れっぱなしにしていたコブクロのCDがかかる。 家でもよく聞くからお兄ちゃんも一緒によく歌う。 コブクロの曲を聴きながら、ドアミラーの息子の顔が気になって仕方ない。 気持ち的には、コブクロの歌を絶唱したいのだが、 コブクロの歌の歌詞を堪能したいのだが、 ドアミラーの顔が気になってしょうがない。
ドアミラーのへの字の顔は、外を見ていた。 外を見ながらへの字が、への字が、 への字が一文字になった。 外を見ながらしょぼしょぼの目になって来た。
運転席の主人は、そんなの気が付いていないから、 コブクロネタで私をおちょくってくる。
車内コブクロまみれの中、 「あのさ~ あのさ~」 と、やっとこさ声を絞って息子がしゃべった。
でも主人は気が付かなくて、コブクロネタを話していた。
「ちょっと待って、●●が話しているから。」 私が言うと、 「もういい。」 と息子が口を閉ざした。
主人、気がついたか、コブクロの音量を小さくして、消した。 車内からコブクロが消えた。 あああああーーーー。
バックミラーの息子を見る。 なにも言わないよ、って顔だったけど、 あのさ~あのさ~と話し始めた。
今日の試合で、ちょっとしたミスがあって、 それでなんだかぎくしゃくした。 いつもだったら、二人で声かけしあって行くのに、 後半は声かけもできなかったし、 目も合わさなくなった。 試合後解散時に、もうしばらく一緒に練習はできないかもな~となった。
話を聞いていたら、 息子にとっては大問題だけど、 私にしてみたら、 「青春」・・・?? NHK「中学生日記」・・・・・
と思った。 これは、誰もが友達との中で通る道かもしれないし、 ここで、別れてしまうのか、 ここで、ふたたび道が一つになるかは、 この後にかかるんじゃないのかな? と思った。
ドアミラーの涙ボロボロ流している息子を見ながら、 自分の中学生時代に失って行った友達や、失わなかった数少ない友達を思い出した。 あの時こう言っていたら、もう一言前に出れたら、自然に切れた友情じゃなかったかもな…、 いや、切れたって言う事は、もともと友情ってなかったのかな? 離れても、思い出して、また会おうってなった友達だっているしな・・・
しかし、 ラケット忘れて泣かないのに、 友達と決裂(?)したら、こいつ泣くんだ・・・
貴公子とこれからも友情を続けて行こうと思うなら、 改めて、月曜日に学校で謝ったら? 内容からするとお互い様みたいだし、 きっと、貴公子も●●と続けて行きたかったら、わかってくれるんじゃないのかな? それに、あれだけ二人で頑張ってきたのに、初戦敗退だったし、ちょっと悔しくもなるし、 お互い気持ちも高ぶったんじゃないのかな? どうだろう?
あとは息子に任せた。
そして、翌日の日曜日。 お昼電話が鳴った。
誰かしら~?と受話器を取ると、 名乗られる前にすぐにわかった。 貴公子だった!
貴公子だ! 貴公子から電話が来た! あの子たちは終わっていない!!
凄くいい子だったのに別れてしまった息子の元カノから電話がかかって来た時、 ってこんなくらい嬉しいのかな? と、ありもしない世界の住人になっていた。 (念のため、息子はいまだ彼女もいないです。)
急いで息子を呼んだ。 息子もすっ飛んできた。 とりあえず、昨日の自分の失言を謝るんだよ! それは大事なことだよ! 小さな声で背中を押した。
電話を終えた息子。 「今からテニスの練習しようって誘われた!」 嬉しくって仕方がない。 への字だった顔がまた太陽みたいに明るくなった。 よかった。 貴公子、私が信じていた通りの子だった。 ありがとう! 今週になって、来る日も来る日もクラブ返上で、駅伝の練習漬けの息子。 夜になると、ラケットケースのチャックを、ジッジッジーと開けてラケットを見ている。 この前家の中でラケット振って物をぶつけて落としたので、部屋の中で振るな!外で振れ!!と注意した。 考えてみれば、テニス出来ないんだ。 駅伝終わったら、1週間ぐらいでまたテスト期間だし。 ある意味、ちょっとかわいそう。 駅伝いやだって言いださないかな?
今日は、駅伝の練習がたまたま休みだった。 どうするのかな? と思っていたら、貴公子から電話。 今二人でうちの近所のテニスコートで練習している。
友情は目に見えない。 目に見えないものでも大切にするんだよ。
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最終更新日
2008.10.25 16:01:37
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