ネバーランド
今年、ロンドンではじめて「ピーターパン」が上演されて100年になるそうです。子供のように夢見る心を持ち続ける劇作家バリと、彼によって夢を信じる心を取り戻していく「ピーター」という名の少年との出会いを、美しい映画が作られました。1903年、緑豊かなケンジントン公園へ散歩にでかけ、若く美しい未亡人シルヴィアと4人の息子たちに出会います。なかでも繊細な3男ピーターは、父の死後子どもらしさを失っていました。早く大人になることで、父の死の悲しみを乗り越えようとするピーターと、自分自身の幼い頃を重ね合わせ、二度とない子ども時代の素晴らしさを伝えようとするバリ。彼にも子どもの頃の悲しい記憶があったのです。。。夢を信じることの大切さを描いた「ピーターパン」の物語が、喪失の悲しみの中から生まれたことは驚きでした。ジョニー・デップのバリは、静かに押さえた演技で素晴らしかったと思います。母親役のケイト・ウィンスレット、ピーターを演じたフレディ・ハイモア君も、深い表情が印象的でした。それから脇役でダスティン・ホフマンが出演していて、懐かしかった(笑)オスカーは取れませんでしたが、私はとても好きな映画です。