主婦と恋愛 藤野千夜著
<揺れ動く妻の内面を優しく描いた恋愛小説高校の数学教師をしている忠彦を夫に持つ主婦・チエミは、何不自由ない平凡な生活を送っていた。真面目だけが取り得のような忠彦は、サッカー観戦が唯一の趣味といった、ちょっと冴えない男だが、チエミはそんな生活にも、そこそこ満足している。ある日、ワールドカップの予選を見に行った札幌でワカナちゃんという若い女の子と知り合い、その後、笑顔のステキなカメラマン・サカマキさんとも友だちになって、サッカー観戦を理由にみんなで集まるような関係になる。しかし、いつしかサカマキさんの存在がチエミのなかで大きなものになってくるが、忠彦はなんにも気が付かない。いや、気が付いていない振りをしているのかも…などとチエミは勘ぐったりもするのだが。>今月の読書会の本。「さらさらと読めるのだが、全然恋愛でなんかないし、特に心に残るわけではない」というのが大半の感想でしたが、一人だけ「良かった」と言う人あり。「既婚者という『しばり』のある中で、微妙に心ときめくその気持ちが心地よい」とか。具体的にそれぞれの箇所の解説をしてくれたのですが、本より彼女の説明の方が余程繊細で、「それなら良く分かる!」と妙に納得したのでした。しかしながら、「主婦と恋愛」などという題名はある種刺激的で、やたらアダルト系の迷惑書き込みがありそうで、困るなぁ~