カテゴリ:スポーツ
平日の朝5:45-7:05にテレビ東京で放送されている「モーニング・サテライト」。1998年にスタートした経済ニュース番組です。番組のキャッチコピーは「新しい時代に、新しい経済」。かつてないスピードで変化する「今の時代」を、独自の切り口でひも解いていきます。この番組を毎日見るだけでかなり経済の勉強ができます。朝は「モーニング・サテライト」、夜は「ワールドビジネスサテライト」を見ればさらに強力に勉強できます 毎週金曜日にあるコーナー、ビジネスに悩みを持っている人、ヒントを得たい人に対して行う「モーニング・サテライト塾」は、著名な経営者から生きた経済を学ぶ塾ですが、今回は、世界で長らく負け続きだった日本のラグビーを変えた、日本代表のヘッドコーチであるエディー・ジョーンズ氏が自らの経験をもとにその哲学を開陳していただいています。 3/15(金)の2時限目の講義は「人の成長を促すコーチング」でした。約30年にわたるプロコーチの経験から選手の「成長」を促すコーチングについて講義していただきました。 エディー・ジョーンズ氏は母親が日本人で父親がオーストラリア人のハーフですが、人種差別を受けて苦労してきたようです。自分の特技や得意なことを活かしてオーストラリア社会に溶け込もうと努力してきました。クリケットやラグビーを特技して選びました。 しかし、小柄なエディー・ジョーンズ氏は良い選手になれるためには、試合の流れを読んで先手を打つという自分の強みを生かすことだと考えました。得意なことをもっともっと強みにしていくことで良い選手になっていきました。 1996年にプロコーチとして日本に来て、菅平高原の合宿に帯同した際、日本の指導者が、練習中に「ノーミス」を選手にプレッシャーとして与え続けたことに違和感を覚えたようです。練習で失敗することで上達することが大事だからです。練習中、「ノーミス」を選手にプレッシャーにし続ければ、選手が堅くなり、良いパフォーマンスを発揮できなくなります。また、100%失敗しない練習は時間の無駄です。 70%は成功、30%が失敗であれば、選手は30%の失敗の中から修正する機会を得、失敗から学ぶことができます。だから、コーチは練習中に選手に「ノーミス」と言わないようにすることから指導が始めました。 選手に問題を自分のものにさせるのがコーチの役目だとエディー氏は言います。良い例が2015年のワールドカップ・イングランド大会で活躍した五郎丸選手でした。過酷な練習で五郎丸選手は脱落したそうです。エディー氏は五郎丸選手に話をしたいといったそうですが、そのタイミングはそれから時間を空けてから行ったそうです。寿司屋で食事をし、ラグビーと関係ない話をしてから、練習のことを話しました。その時には五郎丸選手は、問題を自分の問題としていました。そして、3つを修正すると自分から言ったそうです。その3つの修正を実行して、あのワールドカップに臨み、成功を修めました。自分で見出した解決策なら本気で実行する選手の例が五郎丸選手だったとエディー氏は述懐します。 ストレスとレスト(休み)の組み合わせが成長につながります。そのコンビネーションがコーチングにとって非常に重要だとエディー氏は言います。いつストレスを与え、いつレストさせるか、バランスが重要なのだと。 2015年のワールドカップ・イングランド大会では、日本代表チームが成長の証を見せました。あの地獄と言われる過酷な練習を経て、選手自らが決断できるチームになったのです。エディー氏は、「リーダーは観察者であり、最終的にチームに自分自身を不要にさせることで仕事は完成する」と言います。 エディー氏の話を聞いて、日本でいうリーダーシップとは違うと感銘を受けました。この話を日本社会で、日本企業で実践できれば、決して世界に後れをとらない日本の強みを世界に示すことができると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月17日 07時59分40秒
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