握り締めているものを離すこと
今日から本格的にハイドンの3楽章に手をつけた。思ったほど長い曲ではないけれどとにかく左手が難しい。基本的なことができていればそんなに難しい話ではないようにも思うが、親指を使ったオクターブの移動ができなかったり、三度の重音がシフトするとずれてしまったり、そういう苦労がほとんどのような気がする。これを機会にきちんと基本的なことをするようにしたい。左手に神経が行くと右手がおざなりになって音が薄っぺらくなるけれど、まずは左手の音程を優先することにした。そして少し余裕ができたら、右手で音がつながるように気をつけてやるようにする。左手の親指が痛くて薬指が突っ張ってしまう。あまりやりすぎると痛めて明日できなくなる。1日にできる量は限られているのだと気がついた。昨日の新しい先生のレッスンでは前回も言われたが、握り締めている左手を自由にしてあげて大きく音を捉えていくように、ビブラートをもっと使って、そのほうが音程もとりやすくなるといわれた(私としては今回はかなりビブラートしたつもりだけどあんまり出ていなかったみたいだ)。イメージはすごくよくわかる。とにかく握っているものを離す努力からすべきだろう。音程も大まかにしかし何が何でもそこにたどり着くのだという図太さがないとと言われた。そう、そういうふうになりたい。エチュードをいろいろ紹介していただいた。しつこいのがいいか、曲のようなエチュードがいいか聞かれたけれど、ピアノも含めてエチュードというのはあまりやったことがないのでどっちがよいかわからなかった。でも私は曲だと妄想がはじまってエチュードの目的を忘れる気がしたので、あまり曲になっていないほうを選んだ。でも後でエチュード集のようなので譜面をどんどん読んでいく練習をすることになった。そういえば「私、暗譜するのが早いのは、暗譜しないと弾けないからなんです。」といって笑いをとるのもそろそろ卒業するようにしなくてはいけなかった。左手のことは言われたけれど、右手のことはほとんどなにも言われなかった(聞いてなかっただけかしら)。別に問題がないわけではないけれどたぶん左手のほうが早く手をつけないと問題なのかもしれない。今まで自分でも右手のことばかり考えていて、少し左手が退化したのかもしれない。サラバンドも右手が力が抜けて音がでていることを少し褒められた。でも音楽が平坦になっているので、もう少し形を作ること、サラバンドは2拍目に重きがくる舞曲なのだそうだ。初めて聞いた。でもそれはすごくいいヒントになる。そうか音楽が小さいことが自分でも気になっていたけれど、大きくするのは全体を大きくすることではなくて、全部おんなじになっているところを色づけて行くことで大きくなるのかと、当たり前のことなのだけど言われてわかるところがちょっと情けない。そして繰り返しの後のところの畳みかけはそうだそういうことがやりたかったのだという感じで弾いてくださった。私は頭では理解できたけれどもちょっとすぐに実現できなかった。でももう一度自分でやれば少し先にいけそうな気がした。とてもいい鍵をもらった。