カテゴリ:読書
「悪口」などというと、子供のけんかみたいだが これから忘年会のシーズン、上司をこきおろすこと でウサを晴らす人も多いのではないか。笑 誹謗や中傷なども含めれば、範囲は広い。 ストレートに相手の欠点や弱点を突くパターンもあれば 自分の優位性を強調して相手を貶めるとか。 以前、某首相に浴びせられた「ほめ殺し」なんていうのも 広義の「悪口」に入るのではないかな。 妙なことを研究している人もいるんだなあと読み始めたら これがなかなか面白い。 かと言って決しておちゃらけたものではなく、内容は真面目です。 洋の東西を問わず「悪口」なんてあるが、文学に現われている 「悪口」の描写の引用から始まる。 式亭三馬の「浮世風呂」にあるような罵倒のような悪口の連射は こっけいですらある。 また「悪口祭」なんていう風習の残っている地方もあるようだが 悪口を飛ばしあい勝負しその結果で年の運を占ったり 悪口をいうことで不品行をいさめるという意味合いもあるらしい。 そうかと思うと鎌倉時代の「御成敗式目」に現われる 「悪口罪」の判例もいくつか紹介していて、これがまた面白い。 社会的機能の章では、先の悪口祭などが、豊穣の祈りなどの 性格も持つなどと分析していて興味深い。 こうやって読んでくると、一口に「悪口」などと言っても ずいぶん奥が深く、十分研究に足る分野だと分かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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