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終活日記

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2007年01月31日
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カテゴリ:読書

読書ということで、これまで取り上げてきた本に
戦争やその時代を題材にしたものが少なくない。
別においらが戦争好きというわけでもなく
一昨年からか、こういう本の出版が多いからではないか。
戦後60年過ぎ、今一度戦争というものを見つめなおそう
という流れになっているのかも知れない。

この本、作者の体験に基づいた自伝的小説。
医者の父が、故郷で開業するということで、
家族そろって、戦争直前の沖縄に渡る。
青い海や昆虫採集にと自然に親しんでいたが、
まもなく開戦を迎える。
戦火をのがれ、軍医として従軍する父だけを残し、
母の実家の甲府に疎開する。
終戦後、父の消息を辿るべく、再度沖縄に渡る。
家族の生計を支えるべく、混乱する時代の中
米軍の通訳らしき仕事に雇われる。
そこでの数奇な体験や知人たちの運命に
まだ大人になる前の少年は翻弄されていく。

あとがきによると登場する人物はほとんどが実名とか。
ノンフィクション作家らしく、小説とは言え
多くの参考文献の裏付けもあり、臨場感のある内容になっている。
米軍関係者たちの好意にも助けられるが
以前にも書いたように、沖縄の人たちにとっての敵は
米軍などではなく日本軍だったように思えてしょうがない。
軍部上層のバカな思想がなければ、いかに多くの人が死ななくて
済んだことだろうか。
本土から離れているだけに、かえって軍国教育が徹底していたようだ。
好きな学問も断念せざるを得なかった作者だが
今日あることが、救いだろうか。






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最終更新日  2007年01月31日 17時46分34秒
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