カテゴリ:読書
根強い澁澤ファンは多くいると思うが おいらもそのひとりで、読書傾向なんかは 彼によって作られたと言ってもいいかも知れない。 本書は主に60年代書かれた書評や雑文を まとめ編集したものだが、ジョルジュ・バタイユの 「マダム・エドワルダ」をはじめ、読んでいる本が多い。 またリラダンやマンデアルグにのめり込んだも彼の影響。 書評といっても、特に持ち上げるわけではなく 感じたままをストレートに書いていて好感がもてる。 小浜俊郎訳の「ロートレアモンとサド」などその訳文を 酷評しているが、実際のところ、当時の翻訳書には 直訳しただけで、何が書いてあるのかさっぱりわからない 翻訳書が結構あった。 澁澤の名前を初めて目にしたのは、高校時代 よく行った本屋のひとつのコーナーだった。 ここは澁澤の著作はじめ幻想文学の本がまとまっていて おいらのお気に入りの場所だった。 パンドラの箱を開けるかのように、ドキドキしながら 立ち読みしていた。 こういうところにある本は当時でも千円以上はしていて 乏しいおいらのこづかいでは、とても手がでなかった。 買えるといったら、「若きウェルテルの悩み」とか「変身」 といったペラペラの文庫本。笑 大学に入っても金銭的な事情は大差なく、どうしても欲しい本は パチンコで勝負して手に入れていた。 執念というのは恐ろしいもので、こういう時は結構勝つのだ。 澁澤の「秘密結社の手帖」なんかも、こうして手に入れたもので 今でも書棚に大事に保存してある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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