カテゴリ:読書
曲芸師のハンドブック ロールシャッハ・テストというもの、今でも 精神分析や性格診断に使われているものと思うが 誰もが、経験したことあるだろう。 こんなの。 何に見えるかと聞かれて、本当は、インクのシミにしか 見えないのに、そう言うと叱られると思い、チョウチョ などと答える。笑 しかし、チョウチョに見えるというのと インクのシミに見えるというのと、どちらが正常と 診断するんだろう。 こういったくだりがあって、ニヤリとした。 偏頭痛から薬物依存になった主人公、精神病院に入れられない ために、指が6本あるという特徴を生かして、偽造文書をつくり、 幾人かの人物になりすまし煙に巻く。 これがなかなか面白いのだ。 日本の小説家たち(文学者とは言わない)、 どうしてこういった発想の話書けないんだろう。 タイトルが原書の直訳だが、もっと大胆に変えたほうが 売れるのではないか。 というか、確かに携帯の辞書機能でくると、曲芸師とあるが 原書の意味合いはちょっと違うのではないか。 裏表紙の紹介文見ると、訳者の三川基好、グロスマンの 「コーデックス」も訳していたんだった。 おいら、男の訳者、あまり評価していないんだけど。 おいらと同い年だが、昨年食道ガンで亡くなっていて 本書が遺訳となる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|