カテゴリ:読書
甘粕正彦乱心の曠野 以前、同じ著者の里見甫を対象にした「阿片王」 を取り上げた。 この里見と甘粕も満州国でリンクしていて 甘粕についても少し触れた。 姉妹編というのは可笑しいが、同じ時代に生きていた 人物を描いたということで、同時代の状況は、 より分かり易くなる。 とにかく、この時代を扱った書き物を読むと あちこちで出てくるのが、この甘粕正彦。 作者によって評価が微妙に違うから ますますもって実態がつかみにくい。 大杉栄の暗殺で耳目を集めたと思うのだが 実刑になったかと思えば、いつのまにか出所して 仏国に顔を出したかと思えば、満映の理事長になってたりし 終戦の後、青酸カリで自殺するという、いかにも怪しげな人生だ。 実際に切れ者だったようで、そういうところでも 評価がいろいろ分かれるのだろう。 この本を読むと、軍部の上層の意図が働いていて 実際には甘粕は手を下しておらず、ひとりで罪を かぶったようだ。 そう思えば、後の軌跡も理解しやすい。 大杉栄については、おいらは映画「エロス+虐殺」の印象が 一番強いわけだが、そのわりには内容はよく覚えていない。笑 吉田喜重監督なんていうと、映研(おいらもそうだった) の連中なんかは、無条件で評価しがちだが 当時面白い映画がいろいろあって、コントラストの強い映像 は頭に残っていても、あまり面白くなかったようだ。 おいら岡田茉莉子嫌いだもんなあ。 まあ興味のある人は読んでいただくとして こういうノンフィクションは資料をあさったり 現地を調査したりと、作業的には大変だろうが パズルを解くようで、作者からみれば、その過程が 面白いんだろうな。 書く能力は別として、おいらリングで死んだ女子プロレスラー、 プラム麻里子の生涯を、女子プロレスの盛衰をからめて 書いて見たいなんて、ずっと思っている。 きょうは内容がバラバラだな。 いつもそうか。笑 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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