カテゴリ:読書
時が滲む朝 この受賞作、丁度文藝春秋の掲載で読み終えた。 中国人作者の初の受賞ということで話題になっているが どのような小説なのか興味を持って読み始めた。 画像は単行本のを使っているが、おいら芥川賞は 文藝春秋の本紙で読むことにしている。 選考の経緯が分かるからである。 正直言って、オーソドックスで古臭いなあという感想。 選考には、中国人という意識はないと思うが 日本人作家だったらもっと見る目が違ったのでは。 天安門事件を背景にした、主人公たちの中国の民主化への 一途というか純粋な思いは前半ではよく伝わってくるし まるで挿入歌のように現われてくるテレサ・テンや 尾崎豊の曲が、雰囲気に色づけを与えている。 ところが、主人公が所帯を持ち子供が出来た後半になると 小説の内容にも、熱気というものがなくなってくる。 ドラマというものが何もない。 展開を期待して読み続けると、突然終わってしまう。 結局、何を書きたかったのか分からない。 妙に尻切れトンボのような印象をもつ。 作者は日本で暮らして20年あまりになるが、 中国人には違いなく、日本語で書いたところで 何か当事者的な視点で書いてもらわないと困るんだよなあ。笑 前半は興味深く読めるが、後半は誰が書いてもどうってことない。 この程度の作品が、なぜこの時代の芥川賞なのか疑問。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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