カテゴリ:読書
清張とその時代 松本清張というと、定期的にブームが起こるように思うが、 昨年は生誕100年とということと、最近の時代小説流行りもあり 再度、注目を集めているようだ。 ひとつのジャンルで括れない作家だが、脚光を浴びたのは、 社会派推理小説作家としてだろう。 しかし、おかしいもので、森村誠一などの類型の作家はいるものの 本当にそう呼べるのは、後にも先にも清張だけではないのか。 事件の現実味や登場人物の存在感は他の模倣を許さない。 また動機を重視した点で、安直なトリックでミステリー などと言っている、多くの作品とは一線をおいている。 この本は評伝の体裁をとっているが、それは作家になるまでで その後は主な作品の解説書のようなものである。 それはそうだろう、あれだけ膨大な作品を残したのだから、 執筆や資料調べで時間をとられ、評伝らしいエピソードを 残す暇もなかったのではないか。 全部読んでいるわけではないが、好きなのは「砂の器」か。 この映画も涙なしには見られなく、おいらの日本映画ベスト1だ。 「張り込み」もいいけど。 この作品に限らず、清張の作品に魅かれるのは、フィクション ではありながら、現実感や社会への視点が明確なことで、 これは、作家になる以前の悲惨とも言える生活体験なかったら 成立しなかっただろう。 たいがい一時にドッと読みたくなり、一冊一冊集めていては 面倒なので、全集で読むこととなる。 ところが、これ重くて、寝転がって読むというわけにいかない。笑 後年の古代史関係の本はほとんど読んでいないので 折を見つけて、ドッと読みたいものだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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