カテゴリ:読書
一度読んだ本を読み返すことはあまりないし、
場所もないので、図書館で本を借りることにしているが、 ゆっくり読みたいとか、持っていたいとかで、 買うことになる本もある。 この本なんかもそうで、好きな句にポスト・イットをつけて、 抜書きしようと思ったら、きりがなくなってきた。笑 去年から俳句なんぞに、手を染め始めた訳だが、 季重なりとか季違い(こんな言葉があるのか知らんが) が、ボロボロ出てくる。 そんな折、蛇笏の 「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」 という句に出会い、いたく感動した。 どちらかというと、平坦な句だが、これがしみる。 自分が秋の風鈴詠みたいと思っていたからかもしれないが。 その他の句も、妙に波長が合って、一度にファンになった。 牧水と交流があったというから、納得できた。 ちなみに、牧水はおいらと誕生日が同じ。笑 通常、俳句というと、視覚的なものがほとんどだが 蛇笏の句には、音が入り、聴覚にうったえるものもかなりある。 これが効果的で、ドラマチックなんです。 音は出ないが 「死病得て爪うつくしき火桶かな」 なんちゅうのも、いいなあ。 超短編小説だ。 俳人はだれも言葉の手練なんだろうけど、この人は語彙力もスゴイ。 「山柿や五六顆おもき枝の先」 の「顆」はいただくことにする。笑 近所の庭に、冬になっても一顆だけ柿の実が残っていた。 これ自然に残ったというより、家人がわざと残した風流なんではないか と思ったが、詠みきれないでいた。 「水浴に緑光さしぬふくらはぎ」 なんて句もあるが、守備範囲も広いな。 全ての句がお手本になるので、勝手に師と呼ぶことにした。笑 この本を教科書にしようっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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