カテゴリ:読書
消えた警官菅生事件は冤罪のケースとしてよく出てくるので、 名前は知っていたものの、詳細は知らなかった。 月刊現代に連載されていたらしいが、事件の前の状況 から裁判までの経緯が臨場感を持っていて読み応えがある。 冤罪というのは、事件が起き、その犯人を無関係の人間に 擦り付けるものだが、菅生事件は事件そのものが あろうことか警察の手で捏造されたものだ。 消えた警官というのは、事件までをセットした囮捜査官だ。 間接的になるが、事件の主犯といっていい。 事件そのものも、最初に逮捕された二人は手を出していない。 事件というのは駐在所が爆破されたもの。 当時、共産党によるテロ行為が頻発していて 党員に擦り付けようとした警察側の犯行。 検察や裁判所も仲間みたいなもんだから、危うく重罪になる ところだったが、弁護士の活躍で無罪となる。 この仮名の囮捜査官を探し出す過程がスリリングで良い。 結局、クビになるどころか、事件後警察関係を転々とし 最後はノンキャリアとしては異例の警視長までに栄転している。 自発的なものではなく、組織として任務を遂行したわけだから 最後まで、隠し、庇ったということだろう。 官僚組織によくあることで、贈収賄などで捕まって辞任しても、 いつのまにか、どこかの団体の長になっているケースが いくらでもある。 先日、北教租の幹部4人が献金問題で逮捕されたが、 こういう連中、過去の例でいくと、出世していくんだとか。 おいらのような、まっとうな人生を送っている人間からみると 信じられない世界だな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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