カテゴリ:読書
戦争というのは赤紙で召集される兵隊ばかりでなく、 白紙で召集される、武器を持たない設営隊も 戦っていたのだということを、恥ずかしながら、 本書を読んで、思い知らされた。 「餓」島といわれたガダルカナル戦を扱った書物は 多くあると思うが、設営隊の視点で見たものは 少ないのでは。 突貫工事で作った飛行場を、友軍機が使う前に 米軍に乗っ取られ、その奪還に向かう無念はいかばかりか。 しかも、補給の船が次々沈没させられ、食い物もなく 武器も持たない設営隊員は飢餓と逃走にあけくれる という、なんともむなしい状況に置かれていた。 物量戦といってもいいのでは。 同じ戦場での米軍側の記録があれば読んでみたいな。 給与は兵隊より設営隊のほうが高かったらしいが、 裏を返すと、軍人は死んだら恩給もでるが 設営隊員は死んだらそれまで。 海軍も陸軍も一日ひとり当たりの基本食というのが 決められていたようだが、内容を見ると結構立派。 しかし、彼ら何日くらい、こんな食事できたのだろうか。 生きて帰還できたのは、奇跡とか運としか言いようがない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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