ジャズの初体験
初めて聴いたジャズは、デイブ・フルーベックの「テイク・ファイブ」だ。小学校の4年生くらいだったか。ラジオの音楽番組を聴いていたら妙な曲が聞こえてきた。なんともリズムがおかしいのである。手で指揮者よろしく4拍子をとると会わないのだ。5拍子ということを知ったのはもっと後のこと。そのうちピアノのリズムに乗せられていく。まるで筒井康隆の熊ノ木音頭のように。平岡正明はこのブルーベックを何かの本でイモと言っていたが、小学生にはそんなことは分からない。そしてこういう音楽がジャズというものだというのをその時初めて知った。普段から坂本九やダニー飯田とパラダイスキングが日本語で歌うポップスなんかを好んで聴いていたから、ジャズの世界も抵抗なく入っていった。フリー・ジャズとかニュー・ジャズに変わっていく前の時代だ。