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カテゴリ:哀
伊坂幸太郎さんの「チルドレン」
テレビドラマで放映されていたんだそうで、先日やっと借りてきて見ました。やっぱり良かった~。 一番好きなのは、家裁調査官と補導された少年が「カラスは絶対黒って決まってんだよっ!!」「いるかもしれないじゃないですかぁ、白いカラスっ!」「いねーっつってんだろ、バーカっ!!」っていうシーンです♪この少年、よっぽどくやしかったのか、後日図鑑を持って面接に来ます。「ほら、いたじゃないですか!」「んあぁ?灰色じゃねーか」「白っすよ!」「ほんとに白かぁ?」「・・・」二人で額をつきあわせて図鑑をまじまじと見つめ、「微妙だな」「微妙っすね」っていうの♪ で、家裁調査官が使う小道具に芥川龍之介の「侏儒の言葉」があるのですが、懐かしく本棚から探し出して、また読んでみました。 ちこっと抜粋(かなり恣意的)。 道徳は便宜の異名である。「左側通行」と似たものである。 我我の悲劇は年少の為、或は訓練の足りない為、まだ良心を捉え得ぬ前に、破廉恥漢の非難を受けることである。 我我の喜劇は年少の為、或は訓練の足りない為、破廉恥漢の非難を受けた後に、やっと良心を捉えることである。 道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。道徳の与える損害は完全なる良心の麻痺である。 芥川龍之介 「侏儒の言葉・西方の人」新潮社) いやー、当時は右側じゃなくて、左側だったんですねえ(って、そういう話しかっ!) 産みの母の発狂、育ての母の死、自殺、いろいろな事を思っても、思わなくても、やっぱり芥川は「痛い」という印象です。個人的には「河童」がとても好きなんですが。 ダウンロード⇒ 新潮文庫⇒ ↓庭に咲いていますが、名前がわかりません。なんという植物なんでしょう。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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