カテゴリ:本・詩歌
漫画『プラネテス』に、宮沢賢治が引用されている話が2話あった。
アニメ版『プラネテス』からはうかがい知れなかったので、意外だった。 宮沢賢治さんも 『プラネテス』も 私の自己啓発(PQ向上)にとって貴重な示唆を与えてくれるものだ。 この意外な(運命的な^^?)一致に私は驚きと喜びを感じた。 ---------- 引用されていたのはそれぞれ 詩『サキノハカという黒い花といっしょに』 童話『グスコーブドリの伝記』 前者については又の機会に譲るとして、 後者が引用されている回からは 「顕在的偉人とは(ある意味で)グスコーブドリのような人だ」 と感じた。 ----------- 宮沢賢治の創作『グスコーブドリの伝記』の中で 主人公のグスコーブドリは物語の最後に、 火山を爆発させて村を冷害から救う。 『プラネテス』第2巻において 臨界事故で亡くなった非常に優秀な研究者(A氏)の妹が、 事故の張本人であるロックスミスと対面する場面で、 亡くなったA氏はグスコーブドリに例えられる。 A氏の妹曰く。 グスコーブドリにはネリという妹がいたわ… ネリは兄のことをとても(愛して、)心配していたのよ、 危険なことはやめてって、あんなに言ったのに… ロックスミスは答えてこう述べる。 「その愛が、彼に届くことなどなかったのだよ」 と。 厳然たるものを感じた。 私ならば、人からの愛には愛で応えたい。 好意を寄せられたら好意を返したい。 幸せをもらったら幸せを返したい。 その中で、自分が成長していければ良いと思っている。 むしろ、この幸せのキャッチボールの中にいてこそ、 わたしは成長できるのだと思う。 しかし、 圧倒的な顕在的偉業を達成するためには。 そうでない人に比べ非常に多くのことを 「捨てて」 ゆかねばならないのだろう、 と思った。 妹からの愛を(自分の行くべき道の障害となる、と判断したがゆえに) 完全にシャットアウトしたA氏。 「宇宙船以外のものは何一つ愛せない」がゆえに 木星行き宇宙船を実現させたロックスミス氏。 彼らは「顕在的偉人」の芽を持っている人だと思う。 顕在的偉人には、 このような「孤独」が常につきまとうのではないかと思った。 圧倒的な業績の代償として。 顕在的偉業がなしとげられるためには、 その偉業に関係すること以外は、すべて捨て去ってしまわなければ ならないのかもしれない。 人類史上にこのような人は必要だ。 ただし、この顕在的偉人を愛してしまった人は 辛い思いをするのだろうと、思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 14, 2005 11:41:54 PM
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