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カテゴリ:読書
小泉改革を推進してきたメンバーである中谷巌氏の懺悔の書ということで、興味深く読みました。
マーケット第一主義を信じ、グローバル資本主義を信奉してきた著者が、今やグローバル資本主義をモンスターとまで言わしめています。 近代経済学の前提条件は、人間はホモ・エコノミクス(経済人)として合理的に行動するとしています。そしてマーケットを開放する事によって「見えざる手」が働き、資源の最適配分が行われるのだと。 でも・・ そもそもその前提がおかしいのではないかと著者は気づきました。人間はそもそも自分の利益だけで行動しないですものね。 勿論、共産主義のマルクスの間違いは歴史が証明しているので、それに代わる資本主義そのものは素晴らしいシステムだと思います。 ただ、ゆきすぎた現在のグローバル資本主義の自壊も証明されてしまいました。 結果、 ひどい格差社会(数字的には日本の貧困率は先進国1位)、地域社会の崩壊、文化の破壊、環境汚染の増大等をもたらしました・・ (戦後の日本を知っている方は、今の日本が貧困率1位というのがぴんとこないと思いますが。) キューバやブータンのように、資本主義を選択しなかった国の成功例も挙げられていました。 興味深い例でしたが、今さらそういう世界にもどるわけにもいかないのが私たちの国です。 近代社会の発展まで否定してしまってはなりません。 でも、 モンスターを暴走させてはならない、という著者の願いで締めくくられていました。 私も一億総中流時代だった20年前の日本がよかったと思っています。 資本主義はなぜ自壊したのか 1,785 円 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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