入院する必要のない私は、10種類ぐらいの薬づけにされた結果、運動神経と記憶に、障害が出た。
退院の半年後、事務員として働き始めた。事務所前の泥除けに、靴のかかとがひっかかり、前のめりになったとき、私は、そのまま、倒れて、顔をぶつけてしまった。鼻に少しの傷跡がついた。普通、運動神経が良くない人間でさえ、倒れそうになる際には、手で支えるために、顔から落ちることがない。高校生のとき、体育の5段階評価が5だった私は、常識の範囲内でさえ、運動神経の系列が悪くなったことに、私は、ショックを覚えた。
そして、パソコンに文字入力しようと、原稿を見て、パソコンに目を移すと、頭の中はまっしろで、入力しようとした言葉がまったくわからないほど、ひどかった。普通、人間の記憶は、5文字から9文字を、短期記憶で記憶できる。私は、退院後、5、6年ぐらいまで、この状態だった。わずか、2文字の熟語を入力するために、原稿を見て、パソコンを見て、これを、数回繰り返さなければならなかった。このとき、30代後半であったことから、老化現象には、まだ早く、記憶の神経経路がいくつか破壊されたのだろうと思った。
そのほか、入院前ではなかった、もろもろの、悪い症状のために、日常生活、仕事上、20年苦しめられてきた。