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カテゴリ:歌
四月から「笑っていいとも」の新レギュラーに、土津井さん御用達のほしのあきちゃんと、それから南野陽子(ナンノ)が加わった。
たまたまナンノが出演した時の放送を妻が見ていて、「すごく他のメンバーから浮いていたよ」とその日の夜教えてくれた。 妻の影響で数年前に彼女の歌を聴いてから遅咲きのファンになってしまった私としては、納得のかたわら淋しい思い。そーだよなー、バラエティ向きじゃないもんなぁナンノって。いやその前に、なんで今、彼女をレギュラーに迎え入れたんだろ?人選ミスでないかい?見てみぃ、レギュラー入り記者会見のときだって、懸命に言ってたじゃん「私にあまり期待しないで下さい」って。 本来、自分を売り込むハズの場で究極の否定宣言。こんなのありえねー!って話だが(こんなこと言っちゃった時点で出演前に降板させられてもおかしくないし、そもそも芸能人失格なんだけどね)、ナンノらしい言葉だなぁと、妻と話していたもんだ…。 その昔、「24時間テレビ 愛は地球を救う」のテーマソングにもなった(らしい)ナンノの「思いのままに」。番組のテーマに沿ってるのかどうか、『挫折に負けず“思いのままに”生きよう、あなたのそばに味方はいるから…』ってな内容の歌だが、歌詞の中にこんなフレーズがある。 ♪螺旋を描いて夢をつかむの♪ なんかねぇ、ここに胸を打たれたんだな。ビートルズの「THE LONG AND WINDING ROAD」に通じるではないか(ついでに八神純子の「うまくいかなくても」の一節にも)。 元々メッセージ色の強い歌だけど、それにしても上手い表現だね。曲調も大きなスケールのバラードで、終奏にかすかに聴こえるアコースティックギターがすごくいい隠し味。 ってか、ナンノの歌、特にアルバム曲にはアレンジの凝ってるものがいっぱいあり、印象深いのだ(80年代アイドルの曲ってみんなそうなのかな?) 個人的に特に好きなのが、「白夜のひまわり」って歌。これと同じムードを持つ曲を、幸か不幸か他に思い当たらない。 幻想的にして妖美なムード。切なさと力強さ(アレンジの一部がちょっとスケバン刑事してる)を併せ持ち、加えて健気さと清涼感まで漂う、思わずエンドレスで聴いていたくなる不思議な歌なのだ。 実際、滅多なことではその場で繰り返し聴かない性分の私が、この歌は一度聴いたら必ず数回はリピート機能を使ってしまう。車の中で聴けば、ヘタすりゃ会社から家に着くまでずっとこれ1曲(約20分かかるとしてやく4、5回は聴いてる計算)って時もあるくらい。 詞は、自分の悩みや痛みを隠し無理して強がり明るく振舞う“あなた”を“わたし”はひまわりが太陽に向かうようにただ見上げるしかなく、「もっとわたしにあなたの痛みを打ち明けて」と切ない思いを歌ってる。比喩の仕方が上手いなぁと思うけど、それ以上に曲から伝わってくる空気がすばらしいのだ。 この「白夜のひまわり」と「思いのままに」の2曲に、井上大輔サウンド炸裂!な「風のマドリガル」と、クリスマスソングなのに冬の寒々しい雰囲気が強く感じられる(これもアレンジの勝利だ)「聖夜(クリスマス)物語」、儚いメロディと懸命な歌い方がしっとりとした余韻を残す「星振る夜のシンフォニー」を含めた5曲(もちろん、他にもいい曲は多いことを付け加えておこう)は、私のナンノソングBest5になっている。 彼女の歌い方には少々特長があって、母音の伸ばし方とか、鼻から息の抜けるときのこぶし回しとか、クセ、というほど強くはないにしろ、けっこう印象に残る。この特長がもし私のようにハマったら、あなたもナンノソング・ファンになれるかも…。 アイドル時代からその言動が割りと注目されていて、曰くわがまま娘だの気が強いだの自己主張が激しいだのと言われてた(その頃まったく彼女に関心がなかった私ですら耳にしたくらいだから、かなり話題になってたってことだろう)ナンノだが、思えばそれは仕事に対するマジメさゆえの誤解(プラス揚げ足取り)だったのかもしれない。なんて、芸能人の性格分析など無意味なことを承知で、それでもそんなことを考えてしまう。マジメというか、正直なのかも。 アイドルの自己主張など、今のテレビを見てみればごくあたりまえ、逆に昔ながらの生活感もプライベートな面もまったく表に出さないようなアイドルは、アイドルじゃない、くらいの風潮。しかし、ナンノが活躍していた1980年代後半は、まだそこまであけすけな言動が受け入れられてなかったしなぁ(過渡期、とは言えるかもしれないが)。 そんな“わがまま娘”の称号が彼女の活動に良かったのか悪かったのかは知らねども、で、年月が経ち今の彼女のキャラがどんな風になっているかも知らねども、「笑っていいとも」に、ナンノ、なぁ。どうなんでしょ?ファンとしてはその露出がうれしくもあり、ハラハラドキドキ気が気でなかったり、だ。 願わくば少しでも今のテレビに溶け込み、みんなとうまくやっていって欲しいぞ、ナンノ。 あぁ、こんなこと書いてたら、スケバン刑事2が観たくなってきた。おまんら、許さんぜよ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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