きまぐれＭＡＴ

♪セブン　セブン…
　※セブンセブンセブン　セブンセブンセブン※
　はるかな星が故郷だ
　ウルトラセブン　ファイターセブン　ウルトラセブン　セブンセブン
　進め銀河の果てまでも　ウルトラアイでスパーク！

　※～※
　モロボシダンの名を借りて
　ウルトラセブン　ヒーローセブン　ウルトラセブン　セブンセブン
　倒せ火を吐く大怪獣　ウルトラビームでストライク！

　※～※
　ミラクルマンのナンバーだ
　ウルトラセブン　エースだセブン　ウルトラセブン　セブンセブン
　守れ僕らの幸せを　ウルトラホークでアタック！♪

ウルトラセブンのオープニング映像って、実は大好きなんである。
前作ウルトラマンの影絵スライドのモダンさを継承しつつ、母なる星・地球、その象徴とも言える波のうねりを背景に（しかもセンスのいい色のエフェクト付き）、ウルトラ警備隊のマーク、スーパーウエポンをシルエットにしたあの映像。モダンなことこの上ない。
曲の最後、モロボシダンのシルエットからセブンのそれに変わり、曲の終奏“ジャン！”に合わせてフレームアウト。何気ないこのシンクロが気持ちいい。
このシルエットなオープニングって、ウルトラの伝統と言えるな。タロウやレオのオープニングに、曲の良し悪しは抜きにして“らしさ”があまり感じられないのはそのせいかもしれない…。

しかしなぁ。これまで数えきれないほど何度も聴いたセブンの主題歌。こうして詞をマジマジ見てみると、ホントに主張の部分が少ないなぁ。
『はるかな星が故郷だ。セブン＝ファイターセブン。進め銀河の果てまでも。ウルトラアイでスパーク！』これだけだもんなぁ。あとは三三七拍子とも取れる“セブン！”の連呼。
これだけであのゴージャスなムードを作り出してしまうんだから、作曲の冬木透、恐るべし。アレンジの勝利だな。

詞、ついでに注目なのが3番。1，2番と、セブンのことが歌われているのに対し、この3番はセブンを含めたウルトラ警備隊のことを綴っているのが面白い。

♪セブン…ミラクルマンのナンバーだ♪

初代ウルトラマンにしろ、新マン、エース、タロウにレオ…みんな自分で名乗ってる（っと、タロウはウルトラの母が名付けたのか）ため、その呼び名が地球人に普及した…ってなパターンなのに、セブンだけは違う。
これは後々のレビューでも取り上げるつもりだけど、セブンはU警備隊の7番目のメンバーとして、隊員（つまり地球人）の手で付けられた名前なんである。
キリヤマ隊長・ソガ・フルハシ・アマギ・アンヌ・ダン、そしてセブン。どこからともなく現れてウルトラな超能力で敵をやっつけるセブン。そこでミラクルマンのナンバー。彼こそ警備隊のエース隊員だ…という意向なのがこの部分であり、3番の詞だ（で、このミラクルマンという言葉が本編第17話でさらに意味を持ってくるのだが、これもレビューにて）。
だから最後の詞♪守れ僕らの幸せを♪と、一般市民からエラそうに命令されているのは、続く♪ウルトラホークでアタック！♪でも判るとおり、セブンでなくウルトラ警備隊なんだな（ワハハ、書いててこれ、今気がついた。情けな～！）

しかし、この歌のウィークポイントにも触れねばならない。
詞とメロディ＆アレンジの両方に言えることなんだけど、このシンプルな詞と明るい曲調から、ハードな展開をみせる本編を想像するのはチト難しいのだ。2番の“倒せ火を吐く大怪獣”なんて、セブンでなくウルトラマンの雰囲気だし。
また、劇中この歌のメロオケが、セブンと敵宇宙人とのバトルシーンで頻繁にかかっていたが、なんか違和感を感じることが多い。いや、子供が見る分にはいいけどさ（で、それはそれで正解なんだけどさ）、大人になってあのシリアスなストーリーに堪能しつつ、いきなり最後のバトルでこの曲っての、ここだけ木に竹を接いだような不思議さを感じるんだな。まぁこれ、主題歌がメジャーコード主体のためでもあり、また他のウルトラ兄弟のように主要なバトルBGMを持たないゆえ、なんだろうなぁ（その分、U警備隊の活躍を彩る勇壮なBGMが充実してるってのも、皮肉と言えば皮肉だ）

ともあれ、イントロを聴くだけでその作品が瞬時に思い描けるってのはテレビ主題歌にとって必要と思うのだが、この主題歌も、テレビバージョンでのティンパニの音色、レコードバージョンでのブラスが鳴り響いた瞬間“子供の頃夢中になって観ていたセブン”が蘇る。なんだかんだ言って、もう体中に染み付いてるもんなぁこの歌。
放送当時の昭和42年にこんなモダンな特ソンが生まれたこと、これはまぎれもなく快挙だし、特ソン界のスタンダードナンバーな1曲であることにはまちがいない！

追記：この歌、セブンがハワイで放送された時、子門真人が英語バージョンで歌っていたのをご存知だろうか？これが怪作だけど実はあなどれなくて、子門は英語が○○だったという驚愕の事実が、後の復刻CDなどで明かされたのであった。だって、ところどころドイツ語にすら聴こえるんだもん…。
それにしても未だに不思議だが、なぜ子門に白羽の矢が…？そうか、オリジナルソングのメンバーの中に尾崎記世彦がいたからか！（冒頭の♪セブン×４♪の、2番目を歌ってるのが彼だ）その昔、尾崎記世彦と子門、声が似てるとされてたからなぁ…。