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カテゴリ:マンガ、書籍
こないだ、盟友チャフィーさんのブログを読んで思ったことだけど…。
最近、オカルトチックな現象の解明を大真面目に取り組む(と、読者に思わせる)マンガってないよなぁ。 昭和40年代後半、五島勉・著の「ノストラダムスの大予言」がベストセラーになった。それまでの高度経済成長から一転、オイルショックなどの影響で巷に不況と不安が押し寄せたあの時代、とどめを刺すように出版されたこの本、“ノストラダムス”の名前と「諸世紀」を一気に有名にしたもんだった。 で、読者、特に子供たちに恐怖と虚無感を植え付けた。あ~オレは37歳で死んじゃうのか~、ってね。 がしかし。 そんな虚無感漂うなかではあるが、同時にカタストロフに対する妖しく甘美な香りってやつもおぼろげながら感じてた気がする。 “空から恐怖の大王が降ってくる”ことにより世界が破滅する…。考えようによっちゃ有史以来最大の天地スペクタクルを見られるのか、と、心のどこかでワクワクしていた部分って、なかったと言えばウソになる。 で、これを踏まえて。 たとえば、かつて週刊少年マガジンに不定期掲載(よく不定期ながら13巻まで続いたもんだ)されていた「MMR マガジンミステリー調査班」。 先のワクワク感が、「MMR」にはしっかりと息づいていたんだな。 ノストラダムスの名を借りて、あらゆる超常現象(天災、人災問わず)を自らが予言者のように説いていく、MMRのリーダー、キバヤシ。 リーダーのくせにどこまでも怪しいワンマン行動は、しかし各回の結論を導き出すのに無くてはならないものだった。 とにかく、巻の後半になればなるほど結論=「諸世紀」(の詩)になる率、高し。そして ゴゴゴゴゴ…とSE付きでおもむろに描かれる恐怖の大王ならぬ、ノストラダムスの姿! 「ま、またしても俺たちの前に立ちはだかるのかノストラダムス!!」 勝手な仮説で結びつけ、勝手に結論を出してるのにそのセリフはなんだかな~、なのだが、イヤイヤそこが「君はウナギイヌのように胴の長い猫を見たことがあるか?」ってなもんで、おもしろいのだ。 またたとえば、“恐竜には毛が生えていた!”“太陽系第12番惑星ヤハウェは実在する!”“地球の水は、月からもたらされたものだ!”(←それじゃ「宇宙戦艦ヤマト・完結編」だって)など、「んな、バカな!」説をハッタリかましてくどいまでに力説する(もちろんこれ、ホメ言葉だよ)、あすかあきおのマンガ群。 彼のマンガ、いやそれを含む彼の著書はどれも「トンデモ本」と称されているが、自らを“サイキック・エンタティナー”と名乗っていることからも、その手の話が好きな人にとっては彼の仮説、けっこうツボをくすぐられることが多いんだな(ちなみに、私はトンデモ本ってけっこう好きなんである)。 ことにコロコロコミックに連載していた(らしい)「~の謎」シリーズは白眉(ホメ過ぎ?)。 普通ならもっとイケメンに描けばいいのに、伊集院かカンニング竹山かといった丸っこいキャラで自分自身を登場させ(サングラスはせめてものオシャレか)、弟子(だから何の弟子なんだ?)のサイクローくんを引き連れキャトルミューティレーション-牛のどてっ腹にまぁるく穴が開いてるって、あれ-や恐竜の謎を追い世界を駆けめぐる。 そして、恒例となった感もある「この○○の秘密は○年以内にNASAより公式発表されるであろうことをここに断言しておく」と結びのひと言。 これだよ、これ!ここまでハッタリ効かせられたら、ハハーッとかしずくしかないって(笑) MMRもあすかあきおも、ロマンというにはちと仰々しいかもしれない。が、どちらも未知なる物への恐れと関心を抱かせる、言い換えれば想像力をかき立て広げるパワーがあったことは間違いない。特にMMRなんて、一応結論付けながらもカウント2.5で試合を放り出してしまうことも多かったしなぁ。 あまり気合入れまくりで読みすぎると、自分自身がトンデモさんになってしまう危険性はあるけれど、仮説を楽しむにはまったくもって申し分ない。いや、ヘタにひたすらルーティーンワークで物語を消化させるだけのマンガや、青年マンガに傾倒したかのような作品にハマるより、よっぽど知的興奮を得られることは断言しておく。 まぁつまるところ、1999年7の月に恐怖の大王が降ってこなかったのがこれらのマンガの衰退につながったんだろう(もっとも、実際に降ってこられても困っちゃうけどね)。 しかしあれから10年近くを経て、よりいっそう複雑怪奇な社会と、ありえね~的事件が数多く勃発する今、あんがいタイムリーな新作発表の時期なんじゃないかな? やっぱり読みたいぜ、妙に気取ったキバヤシくんやナワヤ、イケダくんが活躍する(考えてみりゃ「怪奇大作戦」のSRIに雰囲気似てるな)MMRと、余裕でとんでもない説をドドンと発表してしまうあすかマンガ…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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