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カテゴリ:マンガ、書籍
前回に引き続きこのテーマ。
特筆すべきは少年ジャンプの2作品ということで、まず「ダイの大冒険」。 いやもうこの漫画、良い意味で“ライバルが手を結ぶ”ことの見本市みたいな作品である(イコール、♪燃えて 燃えて 燃え上がり~♪なのだ)。 尾崎豊ばりの名言も多いヒュンケルを筆頭に、彼の男気に惚れたヒムちゃん、ラーハルト、クロコダインのおっさん、ハドラー(←泣かせるヤツなんだこれが)、そして、ダイの父バラン…。 一度はダイやアバンの使徒たちと一戦交えながら、やがて大魔王バーンを倒すべくみんな彼らと共に歩みはじめる。 常々「ダイの大冒険」に登場したキャラには無駄なキャラがひとりもいないと思っていたが、改めて振り返るとさらにその思いが強くなるな。 そしてそれは、「るろうに剣心」にも言えること。 相楽左之助、四乃森蒼紫、元・新撰組のヘビースモーカー(笑)斉藤一…。 志の異なる彼らがそれぞれのスタンスを崩さぬまま、剣心に力を貸していく。そこにはルパン三世と次元、五右衛門のような(あ、ルパンも初期の頃ね)大人のニオイとカッコよさがある。 縁篇のクライマックス、孤島での決戦は(もうひとりのナイスガイ、弥彦の活躍も含め)もう読んでいて気持ち良いことこの上ない…。 どちらの作品にも言えることだが、主人公側につくまでの動機づけがしっかりできている!決してご都合主義で寝返るなんて不届きなキャラは皆無なんだな。 それでいて、というか、だからこそ、というか、みんな初登場からの気高さは失わない。ここがいいのだ。中にはヒムちゃんのように“そんなオチャラケ顔もできるヤツだったのかー!”的キャラもいるが、彼とてまったく性格破綻してしまったわけでなく、どちらかと言えばキャラの幅が広がったと受け取れる。 あ、こうしてみると、やはりドラゴンボールも取り上げねばなるまいな。悟空とベジータ。 ナメック星篇の前までのべジータはまったくもってニクたらしいヤツでしかなかったが、そのナメック星篇、そして最後の魔神ブゥ篇まで、実に良いスタンスを保ったまま魅力あふれるキャラで通した。そう、最後までヤムチャや天津飯のようにならなかったのがいいんだな(ヒデェ言い方だね)。 時代が時代なら、アニメでの彼の声、きっと市川治氏がアテていただろう、ってことで、べジータってプリンスハイネル(ボルテスV)の雰囲気があるんだな…。 まぁこういう展開が燃えるってのも、まずなにより主人公に魅力がなければならんことは大前提。その意味ではダイも剣心も悟空も及第点、いや満点を差し上げたい。やはり♪正義と愛と友情♪を謳う少年ジャンプの代表作だ。 で、そのフレーズを用いればおのずと登場させたくなるのが我らがマジンガーシリーズの、今回はグレートマジンガーのパイロット、剣鉄也くんだ。 孤児だった彼を拾い、育て、活躍の場を提供してくれた、まさに父親みたいな存在の兜博士。 しかし博士の実の息子、そう、いわずと知れた兜甲児くんがアメリカから帰ってきたときの、鉄也くんの胸中は如何ほどか。ついでに言えば、前作マジンガーZの最終回で、鉄也くんは甲児くんの命を救っている…。 まぁなぁ、鉄也くんならずとも、面白くないわなぁ。それまで親子のように接していた兜博士を、ひょっこり帰ってきた(実際にはそうではないが)実の息子に取られてしまったみたいだもんなぁ。 で、その親子のご対面にジェラシーを抱き、Zとの連携を悪くさせ、あげく、彼の家とも言うべき科学要塞研究所を危機に陥れてしまう。 仮にもスーパーロボットアニメの主人公がそんなことでいいのか!?と思う半面、その主役にそこまでさせるかー!と、いう想いも抱く。 鉄也くんがもう少し大人だったら研究所の危機も、またそれがきっかけで兜博士を死なせてしまうことも(おそらく)なかったわけで、後に甲児くんとは分かり合えたものの、彼の心には重い十字架が刻まれたに違いない。それゆえ、鉄也くんにとって甲児くんは力を合わせて戦うライバルとなったんだなぁ。あぁ罪深きは昭和40年代アニメの業の深さか…。 反目し合っていた相手と理解し合えたり、ライバルと思っていたあいつと共通目的を持って協力し合う…ってなとき、そこには他に得がたい感情の高まりがある。 人類みな兄弟!と、どこかの♪戸締まり用心 火の用心♪かぶれではないが、現実社会におけるそうした認め合い、分かり合うことの良さを、アニメや特撮や(しまった!地獄大使のことを書き忘れてた!)漫画の王道たちはわかりやすく教えてくれてるんだよな。 無論、単純な等式で括れるほど安易に“手を結ぶ”ことはない(できない)けれど、そして手を結んだからといって何もかもすべて順風満帆にことが進むわけでもないけれど、それを踏まえたうえで人が学び取れるものを、王道たちはたくさん持っている。だから、燃える!感動!そしていつまでも心に残るのだな…。 馴れ合うんじゃなく、理解することが大切なんだよね。そうだろ?鉄也くん…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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