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カテゴリ:アニソン・特ソン列伝
♪星ひとつ流れて消えた きれいな夜空静かだなぁ
こんな夜思い出す 戦いのなかった平和な日々を ※だからこそ負けられないのさ だからこそ命をかけて おれは守るぜ地球の平和※ 花一輪開いてゆれる 緑の野原のどかだなぁ こんなとき考えるしあわせに過ごした子供のときを ※~※ よせる波くだけて消えた まばゆい海辺いいもんだなぁ こんな日によみがえる 争いのなかった楽しい日々が ※~※♪ なんたって“もの思い”なんである。忙中閑あり、平和を守る戦いが続く日々の狭間で自然ののどかさに触れ、おだやかだった昔を思い出す…。 ヒーローだって人間。いや、時には宇宙人だったり異次元人だったりサイボーグだったりもするけどさ、でも根っからのバトルマシンでない限り、地球の美しい自然に心をゆだねてホッと一息つくときだってあるわさ。 戦いの動機がなんであれ(個人的な復讐、私怨であっても)、ふと風に揺れるちいさな花に気をとめるだけの感性がなきゃ、ヒーローとは呼べんよな~。なんにせよ、それが結果的に平和を守る戦いとなっているのがヒーローなんだから。 「超電磁ロボ コン・バトラーV」の挿入歌「豹馬もの思い」は、そんなヒーローの心情を端的に語った名曲だ。 コン・バトラーの歌といえばこの人、ってことで、当然ながらこの曲も水木一郎がメインボーカルを担当。で、また水木の歌い方が良いのだな。OTAKEBIもSASAYAKIも無いけれど、彼の本当の魅力ってのが確かな歌唱力と豊かな表現力であることを思い知らされる。そう、マンガ「はじめの一歩」の、対唐沢戦で一歩クンが見せたデンプシーロールの封印のように。唐沢の「得意技を引き出せずに負けてしまった」と自分の不甲斐なさを嘆く言葉を受け、セコンドを務めたあの真田さんをして「おまえは幕の内(一歩)くんの一番厳しい部分と戦ったんだ」と言わしめたように(マンガを知らない人には不親切極まりない例えで申し訳ない)。 前回列伝の「ちいさな愛のうた」同様、前半の情景描写とそれに対する“もの思い”。後半の“だからこそ”命をかけて平和を守るぜという決意の2ブロックで構成されているこの歌。前半での“静かだなぁ”を、これほど見事に歌いこなせる男性アニソンボーカリストを私は他に知らない(女性では、やはり我が永遠のアイドル堀江美都子さんであろうか)。 “だなぁ”という言葉の使い方、そして歌い方。ここ、絶対ポイント。教科書で言えばアンダーライン必須!のところだ。 そして、秘めやかなる闘志がみなぎる後半のパート。こおろぎ73のコーラスと相まって、力強さだけでなく一種の清涼感も備えている部分。これも、水木の歌声あったればこそ、だ。 で、その結果リスナーも、日常の忙しい日々を過ごしている最中、ふと自然のもたらすステキな風景に身と心を置きたくなってしまう(ただし!それは単に癒しというだけでなく、先へ進む活力を得るために!)、そんなパワーを持つに至ったのである。副作用の無い活力剤だなこれ…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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