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カテゴリ:キャバモノ
夜更けの携帯が鳴った。
「なあちゃん・・・」 以前偶然街で出会った、二人とも前カノのレイラにそっくりな二人組の一人、Rだ。 その二人、姿形やメイクの仕方がレイラに似てるだけでなく、一人はレイラのキツイ部分、もう一人はレイラのおっとりした部分がそっくりと言うおまけ付き(笑) まさにレイラが二つに別れた様な二人(爆) Rはそのおっとりした方の担当だ。 な「どうした?泣いてるの?」 R「うん、ちょっと嫌な事があって。」 な「いいよ、俺が話聞いてやるから。今どこ?」 R「今実家。なあちゃんの声聞いたら少し元気出た。また電話じゃなくて会って直接話を聞いて欲しいからさ。」 な「じゃあ戻ったら必ず連絡しろよ。」 R「うん、ありがとう。心配かけてゴメンね。」 そう言うとRは携帯を切った。 無理に尋ねようとしても多分話さないだろう。 心配だけどRが戻るのを待つだけだ。 その翌日、ある用事で街に出た私は馴染みの寿司屋で軽く一杯。 その後、久々一軒の店へと足を向けた。 ある出来事から仲違いをしてしまったCが移動した店だった為に足が遠のいていたが今日はちょっと別の用事で。 今一番仲良く遊んでいるMも以前勤めていたために、その友人達も多くその一人に用事があったのだ。 Cは土曜日曜はいつも休みをとっているので顔を合わせる訳もなし。 ただ用事のあった相手が少し遅れてくる様なので待っていると、偶然Sがやってきた。 SもMの友達なのだが、私とSとMの間には以前微妙な問題もあった。 ただ半年以上前の話ではあるし、今は特に気にしていなかったのだが・・・。 当然話題はMの話題に。 な「この前、久々Mと会ったんだって?あの話聞いた?」 S「びっくりしたよ、てかなぎさ君の子供じゃないよね?」 な「うん・・・」 びっくりした!!! 俺が振ったのは別の話題のつもりだったのだけど。 最近Mが体調悪がっていたとき、冗談で「俺の子供出来た?」って聞いた時「ないね!」って笑って返してたけどまさか本当に妊娠してたとは。 でも間違いなく俺の子供じゃない。 混乱する頭の中を昔馴染んだSの居心地の良さだけが支配しだした。 ひょっとしてこれは俺とMに対する小さな復讐かSが繰り出した罠なのか? ふと気がつくと遠くから俺を無視しながらも意識しているCの姿がある。 嗚呼、なんで今日に限って出勤してるのか? いや、きっと意識してるのはあいつでなくて俺の方なのだ。 でも、あいつは今夜部屋に帰ってきっと泣く。 よく泣く子だった。 その後、用事のある相手も到着し三人で他愛のない話に始終し店を後にした。 来月早々にはアメリカからマユも帰ってくる・・・。 かつて元カノみきが最後まで見ることのなかった俺の〈大切な奇跡〉の中の一つは今も前カノのレイラの元にある。 帰り道、寒さにダウンのフードを被りながら空を見上げた。 この街に今夜も雪が降る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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