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元・占い師 ルビー

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2022年11月10日
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カテゴリ:読書
☆皆さん、如何お暮らしでしょうか。

 最近、知念実希人(ちねん みきと)さんが執筆された作品を二つ読みました。
 知念実希人さんは1978年10月12日生まれで内科医であり小説家だそうです。
 医師であるだけに病院内の様子も細密に描写していらっしゃって、「流石(さすが)だな。」と感心しながら読みました。

 私が読んだ作品は『崩れる脳を抱きしめて』と『ひとつむぎの手』です。

 『崩れる脳を抱きしめて』は労作という印象を受けました。大金持ちの終末医療が題材になっているので興味深いのですが、現実にはこの小説のような出来事は起こらないと思いました。設定に無理があるのはカルテについてです。私の疑問をここで書いてしまうと、これから読む人がつまらないので(私の疑問は)書きません。

 『ひとつむぎの手』は意外とおもしろかったです。物書きに対して「意外と」と言うのは失礼だと思いますが、最初に『崩れる脳を抱きしめて』を読んだときに「実際には、こういう事は起こらないな。」と違和感を抱(いだ)いたので、同じ作者の作品は敬遠しようかなと思いました。

 しかしながら、私は一作だけで作家に対する好悪(こうお)を断定するのは好きではないので、複数の作品を読むように心掛けています。

 『ひとつむぎの手』はあらすじが円滑に進み、読み易かったです。そして、実際に「こういう事は起こりうるな。」と納得しながら読み進めることができました。

 そういう意味では『ひとつむぎの手』の方が登場人物のひとりひとりの顔や息遣いまで感じ取れるように現実味がありました。

 人間の出世欲や名誉欲への執着や人生設計を描く上での打算、教授、准教授、講師といった階級社会における派閥など、山崎豊子さんの『白い巨塔』を彷彿(ほうふつ)とさせる場面もありますが、1978年生まれの知念実希人さんの新しい感覚や最新医療なども織り込まれています。

 私の好みでは『ひとつむぎの手』の方が現実味があり、おもしろかったです。

 皆さんも機会があれば、図書館で手に取って読んでみて下さい。

 文責 ルビー 

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最終更新日  2022年11月10日 00時11分46秒
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