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積  乱  雲

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ローリエ・K

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2024.06.18
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カテゴリ:あとりえ







教会のパイプオルガンと朗読の初体験
教会の空間に入った瞬間から私を包む光がふわりとやわらかくなった

カトリック元寺小路教会は東北の中心となる所なのだそうです

弱視の私には普段から周囲の景色はぼんやりしているのだが
天井まで広がる空間が丸い卵の中に入ったよう
いろいろなものから守られている感じになってとても安心した

その日は天気がよくて雨よりは喜んだのだけれど、
顔にかかる直射日光をさける帽子を脱いだとたんに広がる光の色が
現実世界にいる私たちの感覚を瞬時に別のところへつれていく

そんなことまできっと設計してものすごく考えられているのが教会という場所なのだろう
何しろ天の神様とお話するところなのだから

パイプオルガンが一体どこにあるのかと思ったら
なんと会場の後ろの上の方に
そこから響く深い響きから会は始まった

私はちょうど前のステージに向かった車いす席で斜めに座って聞くことができた
そのおかげで天窓から落ちる光と上から降るオルガンの音が同時に見えて
丁寧に読んていただいた朗読の言葉がひとつひとつ
光の中に浮かぶ粒粒のように感じられた

朗読は山本光子さん
言葉が読む人の体と声を通して
まるで新しい生き物のようになる
音楽になって歌われる世界とも異なり
言葉が主役になって空間を踊るようだった
無音の中で自由自在に動き回る様子は
私の頭の中で勝手気ままに生まれようとしていたことばの動きに似ていた

私の体の中にあった言葉の舞台はそれなりに制限のない自由な空間だったけれど
周囲は暗くて夜空にかがやく星の瞬きのようだった
それらが外の世界に飛び出してみるとそれは
とてもきれいな衣装を着せてもらって笑顔で飛び回る

作品とオルガン曲が交互に演奏されたその選曲がすばらしくて
詩の世界がそのままぴったり音楽のなって現れる次の舞台
教会の音楽は一つのまとまった世界をもっている
その世界観と詩がであうとこんな風にもっと世界が広がるんだと感動した

オルガニストの近藤常志さんに選曲のヒミツを聞いてみた
詩の中にあるキーワードから自分なりに選びました、とのこと
宗教は全くわかりませんとお伝えすると
普段は聖書の言葉からの会だけれど
あなたの詩は宗教を超えて人々の心に響くものがある
と言っていただきてじ~んとした

影響されやすい母は、終曲 パレストリーナのリチェルカーレⅣで
私の車いすごと浮き上がるように見えて
いろいろあるけどがんばろうっと
とおもったら涙と鼻水が出たという

私ははじめからずっとぼんやりした気持ちで
身体が軽い感じだった

小一時間の短い間だったのに
まるで別の自分と出会い
現実に戻ったときに何やら力がわいている

芸術や宗教や言葉や音楽や
そうして人間が長い時間をかけて大切にしてきたものが
それらを大事にする人たちに守られて育てられて伝えられている
まるで別世界だと思っていたところにも感じあったり喜びあったりできる部分がある
そんなことを考えながらなんとも幸せな気持ちになって帰ってきた

頑張て聴きとおした弟もなんだか笑顔

そして我が家では朝からオルガン音楽が曲がれる今日この頃です
(すぐはやる)

また参加したいつどいでした
お会いしたみなさんどうもありがとうございました





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Last updated  2024.06.18 10:49:07
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