八代亜紀さんは、何度でも聞きたくなる歌手 -神津善行さん語る-
よくあの歌手は歌がうまいだとか、下手だとか言います。歌のうまい、下手は聞き手の感じ方しだいです。その歌手の歌を何度も聞きたくなるとすれば、その人にとってその歌手はうまい歌手なのです。
節まわしがすぐれているとか、気持ちの表現の仕方が巧みだとか、そういう理屈はあとからくっつけた言葉にすぎません。
ぼくにも何度でも聞きたくなる歌手がいます。クラシックの歌手にもいますが、歌謡曲では八代亜紀さんもそのひとりです。ああいう歌を歌うバーのママがいたら、話をしてみたいな、と思いますもんね。
そして、もちろん、ひばりさんです。たくさんのヒット曲があるけれど、あれもこれも聞きたくなる、くりかえし聞きたくなります。ぼくだけでなく、日本人の多くがそれは同じでしょう。
出典:『87歳と85歳の夫婦 あまやかさない、ボケさせない』p97 神津善行 中村メイコ著