全て
| まる子だより
| 酒処「和酌和酌」
| 読んだ! 読みたい!
| 給食室だより
| 喫茶「話倶話倶」
| 和躯和躯スポーツ
| WAKUWAKU湧く
| 羽駈羽駈旅行記
テーマ:映画館で観た映画(8573)
カテゴリ:喫茶「話倶話倶」
~~~~~ストーリー~~~~~
内田真貴子(鈴木京香)は、亡き父・内田守の遺言を果たすために、鹿児島県・枕崎を訪れる。戦艦大和が沈んだ海に散骨をするために... 大和乗員の生残りである老漁師・神尾(仲代達矢)は、上官であった内田の養女と知り、漁船「明日香丸」に彼女を乗せ、東シナ海の大和沈没海域へと向かう。 神尾の回想という形でストーリーが展開されていく。 当時15才だった特別年少兵・神尾は、昭和19年2月、大和へ乗り組む。厳しい訓練を受けながら、出撃命令が下りるのを待つ。そんな神尾らの前に現れた機銃射手である内田(中村獅童)と烹炊(ほうすい)所の班長・森脇(反町隆史)。深い友情で結ばれたこの魅力的な二人の男たちに神尾ら年少兵たちは尊敬の念を抱いていく。 10月、レイテ沖海戦に出撃した大和を、米軍戦闘機の容赦ない攻撃が襲う。年少兵たちにとっては初めての実践だ。戸惑いと驚きと興奮と悲しみ。何人もの仲間を失い、激しく傷ついた大和だった。事実上連合艦隊が壊滅に追い込まれたこの戦闘で、内田は重傷を負い戦線離脱、呉の病院へと送られる。 20年3月、沖縄戦前の最後の上陸を許され、男たちはそれぞれに愛する人のもとへと散っていく。離れ離れになっていた母親と対面する澄夫、まだあどけなさの残る幼馴染み妙子と別れを惜しむ神尾。死を覚悟した男たちの、あまりにも短く切ない一夜だ。 また、内田も馴染みの芸者との最後の逢瀬を経て、軍法違反覚悟で病院を抜け出し大和の一員となった。 4月1日、遂に沖縄への特攻の命が下りた。6日、大和は行く先をごまかすために針路を東シナ海にとっていたが、翌7日、米軍に察知され激しい攻撃にさらされる。3000人余りの乗組員たちの、必死の闘いが繰り広げられた。覚悟を胸にした各々の持ち場での壮絶な奮闘もむなしく、沈まない戦艦・大和も遂に海原にその姿を没していった。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 戦後60年ということで、様々なメディアで特集が組まれ、ドラマや映画もたくさん作られた。どれも強いメッセージがこめられたものであり、戦争を知らない私たちにも、充分過ぎるほどに悲惨さが伝わり、二度と繰り返してはいけないものだということを教えてくれる。 戦艦大和に焦点をあて、乗組員それぞれのドラマをみせてくれたこの映画は、まさに反戦映画だと思う。戦争というものが、結果、何を生み出し何を残したのか、あらためて考える。今現在でも戦争責任をめぐって、憎しみ合い罵り合い、国同士の論争が止まない。加害者にも被害者にもなるのが戦争であるならば、人類の愚かさを顧みて、平和と鎮魂への祈りを常に心にもって、これからを歩いていくべきなのではないだろうか。 戦死した父と兄、母を空襲で失い、広島原爆で幼馴染み・妙子を亡くした神尾は、愛する人たちを誰一人守れなかったことを胸に、戦後を一人で生きてきた。尊敬する上官である内田の娘に出会ったことで、大和が沈んでいる海上に立ち、あらためて戦友たちと対面した。バイクを買うためにアルバイトで「明日香丸」に乗っていた少年・敦の顔が、船長である神尾の話を聞いていくうちに変貌していく。今15才である彼にも、戦時下での船長の少年時代の想いが伝わったのだろうと感じた。 余談だが、神尾が妙子と最後に別れるシーンで「私、広島の軍需工場へ行くの。私も頑張るよ」と妙子が言った。『父と暮せば』を思い出し、あの時に妙子もあそこにいたんだなあ...と思った。いくつかの作品を観ていると、こうしてストーリーが立体化してくるような気持ちになり、それぞれの作品に奥行が出て来る。止まらなくなる涙も、こんな見方が反映しているのかもしれない。 それにしても、中村獅童&反町隆史のステキだったこと。こんな言い方をすると、軽く思われるかもしれないけど、男っちゅうもんはこうでなくちゃ! と思わせてくれる。渡哲也や仲代達矢、林隆三などベテラン陣もかなりの貫禄だったけれど、この二人の存在感はすごい。映画界も世代交替の時期なのかなあなんてことも感じた。あ、それと、長嶋一茂、武士道に精通している大尉でかっこいい役やってた。すっかり俳優さんだね。 長渕剛の歌にのせたエンドロールで、席を立つ人が誰もいなかった。会場が明るくなるまでみんな動かないの。こんなこと初めてだったなあ...私はタオル地のハンカチがびしょ濡れになってしまった(^^;) 観にいく方は、くれぐれもハンカチをお忘れなく。 男たちの大和/YAMATO 公式HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[喫茶「話倶話倶」] カテゴリの最新記事
|
|