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カテゴリ:アメリカ生活の日常
昨日、共和党のサウス・キャロライナ州での候補者討論会がニュースになりました。 読んだ方も居られるかも知れませんが、耳を疑うような見出しでした。 筆頭候補者である、現(元、か?)マサチューセッツ州知事に始まって、他の候補者も揃いも揃って、テロの相手に矛先を向け、「殺せ、殺せ」の大合唱になったそうですし、唯一、海外派遣軍の縮小を唱え、「自分にされたらいやなことは、他人にもしない」という、ごく全うなことを言った候補者がブーイングを浴びる・・・・ まあ、保守勢力が強い南部での集会とは言え、ちょっと異常です。 これは、愛国心を逸脱して、狂信的とも言えます。 南部と言うと、バイブルベルトと言われるほど、クリスチャンの信者が多いのもこの地域ですけれど、それと、この「殺せ、殺せ」の大合唱がどう繋がるのか、全く以って不可解です。 テロの脅威を前面に出すのは、ブッシュ大統領も同じ手法でしたが、国内をまとめるのに、外に敵を作るのが一番てっとり早いし、効率的である、一種の政治手法です。 そのテロをそもそも引き起こしたのが、米国の各種利権確保のために諸外国で行なってきた数々の施策が、その国々で、ひどい圧制と抑圧を生み出し、その抑圧された人々が米国を敵と見なして、生活防衛のために立ち上がった結果だ、というようなことは、完全に置き忘れています。 というより、そんなことを考えた事もないんでしょう。 対テロに関しては、大方のアメリカ人は、「米国の正義」に対する「無法者」の挑戦である、というような、皮相的な見方しかしていない。 あくまで自分達は正しく、やつらは「悪」であり、徹底的に殲滅する必要がある、と。 それは、何の関係もない一般の人々まで巻き込むテロを擁護することは出来ませんが、逆に、その国々で、そういった「一般の人々」を特に抑圧し、ひどい飢餓や内戦で多数の死者を出してきたアメリカの行動などは、全く省みられません。 ここにも、外に「敵」をつくり、自分の中の「闇」に目をつむる、という、人間の陥りやすい考え方、行動の仕方が如実に現れています。 人と人との場合でも同じでしょう。 自分の「闇」を見つめることなくして、外部の、他者の「非」ばかりを強調し、追求し、敵対する人の間に、果たして「平和」「仲間意識」「共存意識」などが生まれ得るでしょうか? 冒頭の、アメリカの共和党のニュースを聞いて、暗澹たる気持ちになったのは私だけではないでしょう。 今、アメリカは、内憂外患に遭遇し、オバマ大統領の、そして民主党の評価は日に日に落ちてきています。 ここぞとばかりに、その隙をついて、こういった「自分達は正義、悪いのは相手」という形での敵をつくる・・・・。 絶好の環境です。 アメリカの今後に、非常な危険な兆候を感じる、今日このごろ・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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