―Yin&Yan―

そのパートさんはこの部署に来て1年。

今までの例からすると、･･･

仕事を頼むほうとしては、指示した内容をその場で
確認してもらって、あとはこちらはその出来上がりを
最終確認でチェックしさえすればOK。

･･･というレベルになってるハズなんだが･･･。


仕事の流れとしては一通りのことは覚えている。

だが、未だに基本の「キ」のところが理解できてない、
というか、自分のモノにできていない部分がある。

これは「適性」というしかないのか･･･。

基本的にこの仕事に「向いて」ないのだ。

ただの単純作業で決められた手順どおりマニュアルに
沿ってするだけの仕事なら問題はないのだろうが･･･

各業務毎にそれぞれ事情があって、マニュアル通り
にはいかない部分が少しずつ出てくる。

その部分についてはもうお手上げ状態。
とりあえず、「こうすればいいのかな」という感じ
で仕事を進め、結局途中でミスをして最初から
やり直し、というようなことが多々ある。

あと、ほぼ全てをPC上でする作業なんだが、
レイヤ管理やファイル操作の基本が身に付かない。
典型的な「パソコンが苦手な人」でもある。

この部署の担当者は根気強く丁寧に
指導してきたが、もうさじを投げてしまったようだ....

「適性」という言葉一つで片付けてしまうのは
どうかと思うが、そういわざるを得ない状況である。

そのパートさんも自分なりに四苦八苦して
かなり悩んだ時期もあったようだが、今は自身の中で
妥協点を見つけてしまった様子。
「自分はここまでしかできないからしょうがない。
　やれる範囲で精一杯やろう」と。

しかしここはボランティアサークル等ではなく
「会社」である。
求められるのはまず「結果」。
当たり前だが「一生懸命やりさえすればいい」は通じない。

パートさんの中では古株であり、「情」も少なからずあるが、
昨今、会社経営自体が厳しい状況となっていく中では、
配置替えや進退問題もいずれ取り上げられてくることだろう。

･･･

そもそもが、このような「適性」も考えずに
適当な配置換えをした上層部に問題があるのだが。
（･･･と今さらいってもしょうがないけど）