今日の言葉 2010 漁夫の利(ぎょふのり)
■漁夫の利意味:AとBが争っている隙にCが利益を横取りする。類語・関連語:濡れ手で粟。田夫の功。犬兎(けんと)の争い。鷸蚌(いつぼう)の争い。Two dogs strive for a bone, and a third runs away with it.解説:出典は中国の古典「戦国策」のエピソード。鷸(しぎ)と蚌(はまぐり)が争っていたところ,漁師に両者とも採られたという話。怖いのは,AとBが何かの取り合いをしているところを,Cにかっさらわれた,という話ではないところ。AとBがCに捕まえられてしまったわけだから,元も子もなくなった。争うことで失うものの大きさを冷静かつ端的に語った言葉。この世から争いがなくなることはないから,正面で戦う相手だけでなく,後方左右にも注意して自分が危うくならないようにしなくてはいけない,という話。争わないほうが楽だし安全だし省エネだ。鷸は田や沢など水のある所にすむ鳥。かわせみ。鷸は鳥+左側の文字(音符のイツ,突き刺すの意)の形声文字。蚌は虫+右側の文字(音符のホウ)の形声文字。ホウは逢うの意。貝が合わさる二枚貝の意。利は刀+禾の会意文字。刀は鋭い刃物の象形。禾はいねの象形。するどい・役立つの意。出典 日向一雅監修 『「ことわざ」新辞典』 2010,高橋書店。 故事・ことわざ研究会編 『四字熟語辞典』 2005,ナツメ社。 SIIの電子辞書「SR-G8100」: 広辞苑第六版,新漢語林。ウィキペディア。