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私は、小説が書けない

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カテゴリ:面白おかしい話
午後から長時間、経理作業を行った。
OL時代は、月に一度お給料をもらえばそれで良かったが、
フリーランスになった今、すべて自分でしなければいけない。
初めの頃は、どのように記録を付ければ良いのかさっぱり分からず、
何度か税務署に足を運んでは、窓口の方に質問を浴びせかけた。
とりあえず今は、(某税理士の指示通り)エクセルで計算表を作り、
「水道光熱費」、「通信費」、「接待交際費」、「交通費」、「雑費」などの
項目に領収書を振り分けて数字を記入。
とにかく、この作業を毎月行うだけで良いのだ。

それに、他の自営業の方々と比べると、私の場合すごく簡単なはずだ。
人を雇っているわけでもないし、あまり経費がかからない職種なので。
また、支払調書というものを確定申告の時期前に取引先各社が送って来て
くれるので、私がしなければいけないことは自分が使った分の
記録を付けるだけ。つまり、家計簿のように至ってシンプルなのだが・・・

私は、この作業が大嫌い。
もう、嫌いで嫌いで嫌いで嫌いで嫌いで嫌いで嫌いで嫌いでたまらない~!!!!!
しなくて良いのなら・・・
マラソンを喜んで走ります!(スタミナない私だが)。
冷たい海にザッブーンと飛び込みます!(異常に寒がりの私だが)。
毎朝5時に起きましょう!(朝が超苦手な私だが)。
焼肉を一生食べません!(うっ、これツライかも!?)。

とにかく、思いつめるほど嫌なのだ。
あまりにも「イヤ!」という気持ちが強すぎ、どうやら最近、
脳が完全にシャットアウトしてしまったらしい。
すっかりさっぱり、忘れてしまっていたのだ。
しかも、恐ろしいことに、どれぐらい前から忘れていたのかも覚えていないほど・・・

今日、机の引き出しを開けて、ギョッとした。
というか、開かなくてビックリしたと言う方が正解かもしれない。
領収書を入れているクリアケースがパンパンになり過ぎて、引っかかっていたのだ。
わずかなすき間に指を押し込み、思いっきり引っ張ると取り出せたが・・・
な、なんと!領収書が貯まりに貯まっていた。
しかも、4ヶ月分。

もうこうなると、好きも嫌いもない。
心を無にして、覚悟を決めた。
まず月ごとに領収書を分け、その後項目ごとに。
そうすると、わけのわからない領収書が出てきたりして、
「なんじゃ、こりゃ?こんなお店行ったっけ?」みたいな・・・
別に変な店じゃないけど、まったく記憶にない。
そこで何を買ったのか、それとも何を食べたのかどうしても思い出せない。
例えば店名が「○○レストラン」とか、「△△文具店」なら一目瞭然だが、
「ワンダーランド」(仮名)とやらいう名前なら、しかも但し書きがなければ、
検討が付かない。
たかが4ヶ月前のことを思い出せない自分が情けないが、
「嫌だから」という子供っぽい理由でここまで放っとらかしにしたことも恥ずかしい。

領収書の振り分け、そしてエクセルへの記入をすべて終えると
かなり時間が経っていることに気付いた。
ハァ~っとため息をつき、立ち上がると、
ヒラリ~ン・・・何かが床に落ちた。
一枚の領収書。どこかに挟まっていたのか?勿論、未処理のものだろう。
拾ってみると、これにもまた分けのわからない店名が。
もう、勘弁してよ~!
どうしようかと思う前に、手が先に動いていた。
謎の領収書は無残にも引き裂かれる運命に。
私は、くるっときびすを返すと、トイレに向った。
そう、ゴミ箱ではなく敢て便器に投げ込み、ジャーっと流してやった。
まあ、金額が大したことなかったので惜しい気持ちなど全然ない。
渦巻く水流に飲み込まれて行く紙片を見ると、少しだがすっきりとした気分に。

これからは・・・
どんなに忙しくても、どんなに嫌だと思っても、毎月マジメに経理作業を行おう。
新たにそう決心したと同時に、ふとある考えが浮かんだ。
そうだ、領収書を貯めずに、お金を貯めよう!
そして、絶対に(強調)!いつか、絶対に(さらに強調)!・・・

経理のバイトを雇います!!!(宣言)







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最終更新日  2005年12月09日 20時27分00秒
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