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私は、小説が書けない

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2006年05月31日
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カテゴリ:仕事の話

5月29日の日記の続きです)

ホテルの部屋に戻った私は、ニンマリしながら電話を手に取った。
この気持ち、誰かに伝えたい!この興奮、抑え切れない!

「あ、もしもし。お母さん。ちょっと、聞いて~!」
とりあえず、聞き役になってもらおう。
いつも私のことを一番応援してくれる人なのだから。

母親にその日の出来事を話している間も、笑いが止まらない。
少し前までの極めて弱気だった私はどこへ行ったのだろう?
今の私は、完全に"悦"状態に入っていたのだ。
たった数時間の間で、人はこれほど激しい感情の変化を遂げることが
可能なのか?と、自分で自分を不思議に思う。

開会式が終了した時のことを思い出す。
憔悴しきった私の元に、ポツポツと人が集まって来た。
「良かったですよ。」
「お上手でした。さすが、プロですね。」
「今まででの司会者で、一番ですよ!」
気が付くと、たくさんの方々から、お褒めの言葉を頂戴していたのだ。

自分を取り巻く光景がまるで夢のよう。顔が紅潮し、涙が出そうだ。
そして、安堵の笑みが顔中に広がるのを感じた。

ウソ~!?ウソ~!?でも・・・
やった~!!!

人間、やれば出来るのです!諦めずに、やれば必ず!
確かに弱気になっていたし、悲惨なまでの降参状態にあったけど。
ピンチに直面した私は、もろくて、情けなくて、哀れだったけど。
でも、私・・・逃げなかったものね。(というか、逃げれる状況でもなかったけど・・・笑)

後で気付いたことだけど、「仕方がない、どうすることもできない」という気持ちが、
とりあえずチャレンジすることによって、知らず知らずのうちに
「やってみなければ、わからない!」という“行動力”に変わって行ってたのだ。
まさに、どんなデータよりも、過去の経験よりも、“行動”の力が一番強い。
新しいドアを開いてくれるのだから。

これほどまでの満足感を、私は今まで経験したことがあるだろうか?
豪語し続けていた“ピンチは、チャンス”というこ言葉を
こんなに強く実感したことがあるだろうか?

翌日の祝賀会は、開会式よりも参加者が圧倒的に多く、
とてもお偉い来賓者も数名出席していた。
しかし、演壇には、もう少し自信のついた私がいた。
前の日よりも胸を張り、落ち着いて言葉を語る私が。
途中、英語でスピーチするはずの方(日本人)が、
急に日本語で話し出すというハプニングもあった。
勿論、驚いたけれど、落ち着いてマイクを取り、
即興で通訳して差し上げることもできた(まあ、これは私の本職なので)。
そして、会が進んでいる間ずっと、その状況や、その場の雰囲気を
大いに楽しんでいる私が・・・確かに、そこにいたのだった。

今回の体験を通し、反省点は多いと感じた。
振り返ってみても、「あれほどパニくるんじゃなかった」とか、
「何事にも柔軟に対応できなければ」とか、「悲観的になってはいけない」などなど。
次回、このようなことがもし起きても、もう少し心を落ち着かせて
対応できる人になりたいと強く願う。

このように反省することは山とあるが、それ以上に、
私がこの仕事を通して得たものは大きかった。

それは・・・

自分の心情がどうであれ、どんなにマイナス思考になっていても、
逃げずに、チャレンジすること。
「やってみなければ、わからない!」の精神で挑むのなら、
“ピンチは、チャンス”になるのだ!
本当に!必ず、なるのだ!


<あとがき>

この大会には2日間という短い期間参加させて頂いたのだけど、
フリーの時間は特別招待客しか行けない昼食会に誘って頂いたり、
主催者側の方々に本当に親切にして頂いた。
私が何よりも嬉しかったことは、アジア各国のビジネスマンと交流を持ち、
名刺交換できたこと。そのような機会には、なかなか巡り合えないので。
いずれにせよ、私のようなフリーランスの人間にとって、
“名刺交換”という行為は次の仕事に繋がる可能性がある、とても重要なことなのだ。

そして今思うと、司会と通訳って、似ている仕事なのだなぁ。
どちらも人前で話さなければいけないし、気を使わなければならないし、
あらゆる状況に応じる姿勢でいなければならないし。
ただ、大きな違いは・・・通訳は補助的な立場。司会は、メインの役割。
一つ、勉強になりました。

最後に、とても気になることが・・・
各国のビジネスマンと会ったと先ほど述べたけど、
その一人がインドネシアの方だった。
今、インドネシアでは大変なことが起こっている。
あの方は、国に帰れたのだろうか?ご家族や親戚の方々は無事だったのか?
神戸も震災を体験した街。対岸の出来事だとは、どうしても思えない・・・






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最終更新日  2006年05月31日 21時17分42秒
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