This is the meaning of our liberty and our creed - why men and women and children of every race and every faith can join in celebration across this magnificent mall, and why a man whose father less than sixty years ago might not have been served at a local restaurant can now stand before you to take a most sacred oath.
これが我々の自由と信条の意味なのだ。これがあるからこそ、きょうこの偉大なモール(並木道)にあらゆる人種とあらゆる宗教の男性、女性、子供が集まり祝うことができるのだ。これがあるから60年前ならレストランで食事をすることもできなかったかもしれない男の息子が、いまあなた方の前で最も神聖な宣誓をできるのだ。
(原文、和訳ともにNIKKEI NETより)
アメリカのオバマ新大統領の就任スピーチからの抜粋文です。私が一番グッときたのはこのくだり。私なら上記の英文を次のように訳すかもね:
この美しい並木道で、あらゆる人種や宗教の人々が共に祝うことができる。そして、60年たらずも前には地元のレストランで食事も許されなかっただろう男の息子が、今この場で最も神聖な誓いを立てられる。それこそが、我々の自由と信条の意味なのだ。
何が違うの?って、殆ど違いはありませんが・・・(笑)。一つだけ顕著な違いは、NIKKEI NETは「これが我々の自由と信条の意味なのだ」を冒頭に入れてますが、私は「それこそが、我々の自由と信条の意味なのだ」を最後に入れました。何故って?う~ん、個人的には、このパラグラフが最も言わんとすることが、この一文だと感じたので、最後にパ~ッと印象付けるために、この位置にしました。
いや、ね。別に喧嘩売ってるワケじゃないのよ。ただ、翻訳者によって、翻訳文は多少たりとも異なるんですってことを伝えたかっただけ。それはおそらく、各自のスタイル、ニュアンスなど、そう言ったミクロな受け取り方の違いが、微妙に異なる表現を生み出すのでしょう。
私の大好物のショートケーキで例えると、真っ赤なイチゴの乗ったショートケーキ一つにしても、お店によって味が異なる。どれを食べても「ショートケーキだ!」って分かるけど、全く同じ味のものは二つとしてない。
ってなワケで、一言一句まったく同じって翻訳文も存在しないのです。
私は過去に何度か、「翻訳って、日本語を(もしくは、英語を)、英語に(もしくは、日本語に)訳すだけでしょ?」って、当たり前のように言われたことがあります。別に根に持ってませんよ~(笑)。ただね、ケーキ屋さんに向かって、「ショートケーキってどれもが同じ味」って言うの失礼じゃない?真実でもないし。それと、同じこと。
ところで・・・
もっぱら英訳ばかりしてる私なので、和訳はやはり苦手。ですから、このスピーチ抜粋文の翻訳は、NIKKEI NETのほうがお上手だと思います(笑)。