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Varanasi 混沌のなかの静けさ2007/4/24~27
午後はオールドシティのバザールを徘徊。基本的に地図は持ち歩かないので、細道の迷宮をさまようのは楽しい。ラビリンス。方向感覚が一気に狂う。もう2度とここから出られないような錯覚。あの角を曲がると何が現れるのか?不安と期待を感じる。自分でコントロールできるものなど、ない。食い入るような視線に晒されながら、行き着く先は火葬場ガート。ああ、ものごとはそういうふうにできてるのだね、と、笑いたくなる。 3体が焼却中。熱と煙で目がチカチカする。もっと臭いのかと思ってたけど、使われてる木材がサンダルウッド系なのかな?香木の臭いが充満してる。意外と外国人観光客がおらず、見学してるのはみなインド人。最後に頭蓋骨をバシーンと叩き割る場面では、パチパチと手を叩いてた。フーン、って思った。へんなセンチメンタルな感情は、ここでは無用だ。 生きて、死ぬ。 身体は滅びる。 あたりまえのこと、それが目の前にある、それだけのこと。 野良犬は人骨にありつけるのは、まだかまだかと、あたりをウロウロして落ち着かない。すぐ側では、子供たちが水しぶきをあげて遊び、洗濯の作業をする人々が汗だくになって働いている。水面にはお供えの花飾りと、灯篭、腐敗しきったゴミ、人間と動物の糞尿、犬の死骸、生活排水、それらが混ざり合い、溶けあって、ヘドロみたいな光を放つ。人々にとって、ここは神殿であり、トイレであり、浴場であり、社交場であり、葬儀場であり、つまり、「生きる」ということの舞台なんだ、きっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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