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Varanasi 混沌のなかの静けさ2007/4/24~27
バラナシに来て、ハイエナのような観光客目当てのインド人にウンザリしてきた。これまで滞在したどの地にも、観光客目当てのインド人は沢山いたけれど、対応はけっこう楽チンだった。でも、ここバラナシは限度を超えてる。そのしつこさや狡猾さもさることながら、なによりも「その数多すぎ!」なのだ。だって、5分とひとりで静かに歩いてられないんだよ・・・Leave me alooooone!と、どれだけ叫んだことか!ウンザリやー、放っといてくれー!そして、連日「信じられないくらい暑い!」ってのも、このイライラに拍車をかけてた。 「道端で声をかけてくるインド人=悪い人」じゃない。これまでに沢山の「見返りを何も期待しない親切」に助けられてきた。単純な素直な好奇心で近づいてくる人達と楽しく過ごしてもきた。確かに、親切を装いながら「あわよくば・・・」って下心ある人も沢山いる。でも、その下心をくすぐらなければ良いだけの話で、なにも全ての声をかけてくるインド人が敵なわけじゃない。そのインド人を敵にするか否かは、自分次第だ。というか、「私たちはみんな仲間なんだよ、ある意味」って、本気で思ってた。 しかし、だ、モノゴトには限度があって、申し訳ないけれどバラナシで私は、5分に1回の「インド人攻撃」に辟易し、日に日に「かたくなな貝」のように閉じていった。日に日に余裕を無くしてゆく。日に日に不必要に神経質になってゆく。面白いことに、ここバラナシで撮った写真は、すごい緊張した顔してんの、私・・・判りやすいなー(笑)。 で、こんな風に自分のハートが閉じて、自分に余裕がないと、自分を守ることが最優先となってしまい、結構平気で周りの人達を傷つけるんだな、と、すごい後悔したことが2回。共に貧しい女の子ふたりを、傷つけ、泣かせ、怒らせた。 インドにいると学校へは行けず、物乞い・物売りをせざるをえない子供たちがたくさんいる。インドの物売りは大概「○○○買ってー!10ルピーお願い」じゃなくて、「どこから来たの?インドは初めて?」と、無邪気に話しかけてくる。さり気なく話しかけて相手の警戒心を解いてから「ビジネス」に移るという寸法だ。でもね、子供の場合、大半は「観光客と話すのが楽しい。構ってもらって嬉しい。楽しいひと時を過ごすのは嬉しい」っていう単純な部分もある。だから、私はこれまでに沢山のちびっ子ギャング達と一緒に遊んできた。物乞いや物売りをしなければならない彼らの顔が、純粋な笑顔で光が射す瞬間が、好きだ。単純に嬉しくなる。そして、そうやってひとしきり一緒に遊んだあとは、お金なんて渡さなくても、「またねー、バイバーイ」と笑顔で別れることができる。 だけど、バラナシの私は「あー、もー、インドやだー!」モードになっていて、うわべだけは優しい観光客のふりをして、作り笑いで対応しながらも、ココロの中では鬼が住み着き、ちょっとでも「インド人ビジネス」の臭いがするやいなや、汚く卑しい言葉で相手を攻撃していた。それが年端もいかない子供相手であってもだ。残念なことに、不必要な警戒心から、貧しく無邪気な物売りの女の子を、2回も、まったく不当に傷つけ、泣かせ、怒らせた。これまで、周囲の観光客の攻撃的な態度を見るにつけ、「ひでーよな」と批判していたのに、同じ事を自分が行っている事実に愕然とし、自分の罪深さに呆れ、これまでの自分の偽善ぶりに虫唾が走った。 こうなると、「インド、ヤダー!」スパイラルに加速が増してくる。日中は42~3度、夜も37度くらいまでしか気温は下がらない暑さにウンザリ。道路をゆくリクショーやクルマのクラクションの騒音にウンザリ。インド人ビジネス攻撃にウンザリ。治らない下痢にウンザリ。人混みにウンザリ。スパイスと糞尿とクミン汗の臭いにウンザリ。人々の怒鳴り声にウンザリ。不必要な押し合いへし合いにウンザリ。止まらない咳にウンザリ。じゃまくさい牛にウンザリ。しょっちゅう起こる停電にウンザリ。インド、やだー!Too muchやー! ということで、気分転換もかねて、さっさとブッダガヤーへトンズラです。 バラナシからブッダガヤーまでは、夜行列車で。夜中の12時発予定は、期待通り4時間ほど遅れて、また駅で野宿。この駅、どの場所もむちゃくちゃ臭いのに辟易・・・信じられないくらい臭い公衆便所を5倍くらいに濃縮して、炎天下で発酵したゴミ収集所と合わせたようなあの臭いは、思わずゲロでそうになった、マジで。でもとなりのインド人はイビキかいて熟睡・・・あー、もー、なんでアンタ達は糞尿とゴミと同じ場所で、ゴキブリとドブネズミに囲まれて、フツーに寝たり食べたりできるのよー、キーッ!・・・と、なんか無性に腹が立ってきた。 やっとやってきた寝台車は、既にデリーから乗ってきた乗客で満席。しかも、みんな熟睡(そりゃそうだよ、朝の4時だもん)、床にはゴミや食べ残しが散乱し、それが人々の匂いと混ざり合い、ゲロゲロだ。私の席も他の誰かに取られており、すでにイライラの私を更に激怒させる。キーッ!このデブッチョ母さんをケリ倒してやろうかと思ったが、そこはグッと我慢。車両のコンダクターに、その役目はやってもらう。寝不足のヘロヘロ状態では、怒りもパワーを失う。とっとと自分の席にもぐりこみ、寝る。気がつけば、11時。ちょうどガヤ駅につく。アナウンスもないし、車掌さんに「着いたら教えてね」とお願いするのも忘れてたのに、よく寝過ごさずタイミングよく起きれたなー、とビックリ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.17 20:48:32
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