The Stills "Logic Will Break Your Heart"
モントリオール出身のアートスクールあがりの若造4人組みThe Stillのデビューアルバム、リリースは昨年2003年の秋。私は一聴して参ってしまったので、もう何とでも褒め言葉は書けちゃうが、一言でいうと硬質かつイマジナティヴ。言葉を尽くして形容すると、「陰鬱で内省的で後ろ向き」とはまったく対極、繊細ながらも攻撃的な熱さを持つ清廉な真摯さ、曲調とはうらはらに崇高なまでのポジティブ加減、どうとでも変化していきそうな可能性を秘めた柔軟さ(しかしスタイルというよりセンスに対してのこだわりは変わらなさそうだが)といったところ。レヴューにはEcho&the bunnymenやJoy divisionが持ち出され、New Orderがギターロックしてます調の曲も多々あり、ちょっとこのフレーズはFursではないか?とか、なんか古きよき80年代のノリ全開で苦笑ありシンミリあり。しかし個人的には何故だかREMかな、と。大昔REMを口ずさみながら雑踏を闊歩し、腐りきった周囲に心で唾を吐きかけながら妙に清々しい悟りを感じて、それが唯一の自分の拠り所だった了見の狭い幼稚な思春期の自分を思い出させるような、そんな雰囲気を持った一枚なのであります。ふん、若いっていーわね。