トイドローン
自分が学生の頃は、ラジコンと言えばラジコンカーぐらいしか手の届くものはありませんでした。手が届くと言っても何万円もするので、自分の小遣いでは全く買えず、友人から中古のフレームを譲って貰って、スピコンやサーボ(懐かしい)など中身の部品だけ少し買い揃えて作り、休業日のホームセンターの駐車場で走らせたりしていた記憶があります。もちろんその頃にもラジコンの飛行機や船、ヘリコプターなどあったのですが、とても自分が手を出すレベルのものではなかったので、単なる憧れでしかありませんでした。数年前からTVやYouTube等でドローンの存在が気になり始めました。「ラジコンヘリを飛ばす」と「空撮する」が同時に満たされる夢のホビーだと思った私は欲しくてたまらなくなり、ネットで調べる事にしました。と言っても全く下調べが浅く、あまり機能など吟味する事なく値段だけ見て「これぐらいの値段で手軽にドローンがお試し出来るのか」という思いだけで最初のドローンを購入しました。それが「SHIRUI 901HS」です。2017/9に約5,500円で購入しています。届いた時、イメージしていたより遥かに小さく手のひらサイズだったのには驚きました。飛行時間が約5分と短く、バッテリーは本体内蔵式なので切れたら充電をする間何も出来ない事。小さいのにプロペラ音はなかなかカン高くて大きい事。あと、非常に機体が小さいせいもあり、室内で飛ばしてもエアコンの風程度で思いっ切り吹っ飛ばされる事。そして動画やカメラの画質もイマイチな事。少し残念ではありましたが「これが値段相応なんだろう。」と思い、自分の下調べ不足を反省しました。微風にも煽られるレベルですので屋外で飛ばした事は一度もありません。屋内飛ばしのみですが、ドローンの操作に慣れるためには良い入門機であったかも知れません。暫くは会社から帰宅してから飛ばすなど楽しんでいましたが、如何せん「外で空撮を」という思いは全く満たされないので、徐々に飽きて来て飛ばす頻度が減りました。それから真面目に、ドローンについて数か月下調べしました。本体重量が200g以上のものは「無人航空機」に当たり、航空法が適用される事。飛行させるためには色々な制約がありますし、飛ばすには許可が必要となります。「これ欲しいなぁ」と思う高機能なものは、大概200gを超える本格的なドローンでしたが、私は航空法の適用外となる、本体重量200g未満のいわゆるトイドローン、ホビードローン、トイクワ(トイ・クワッドコプター)、などと呼ばれるおもちゃドローンをターゲットにしようとしましたので、その制限内で自分のニーズがどれだけ満たせるかがポイントでした。比較ポイントはいくつがありますが、以下のような感じです。(1)デザイン重要ですよね(笑)。まずは持ち運びが便利なように、折りたたみが出来るような機体は格好良いと思いました。あとは単純に好みです。いくら高機能でも「何かセンスないな」と思うものはあまり飛ばしたくないですし、「格好良い!」あるいは「可愛い!」など、デザインで納得出来るものが良いと思いました。(2)飛行時間トイドローンの飛行時間は、大体7~15分程度が相場だと思います。その中でも、なるべく長く飛ばしたいという思いはあります。(3)プロポ操作専用送信機(プロポ)があるものと、ないものがあります。ないものは、スマホでの操作が基本です。スマホ画面での操作は基本的にドローンから目を離して画面に視線を向けないと出来ませんしレバーの感触もないので、操作の難易度が上がります。逆にプロポがないドローンは「プロポがなくても飛行が安定していますよ」の裏返しでもある場合がありますので、一概に「プロポがないから×」とも言えません。実際、プロポが付いていないDOBBYやTelloなどはワンランク上の飛行性能です。(4)その他機能他にも、画質、GPS有無、ジャイロセンサー有無、気圧センサー(高度維持)有無、など比較点は沢山あるのですが、色々悩んだ結果、最終的に4つぐらいの候補が上がりました。(1)ZEROTECH DOBBY 購入候補の中では性能が一番高いです。デザインも可愛いです。 GPS搭載で離陸地点に戻る機能や、フォローミーモード(自動尾撮影)等の高機能な撮影モードも 魅力です。 私にとってネックは2つ。1つはプロペラ音が非常に大きい事。YouTubeでDOBBYの動画を 観れば分かって頂けると思います。「ビーーン!」というかなり大きなプロペラ音が 気になります。多分飛ばしていたら周りの人は「なんだなんだ」と振り返ってしまう レベルだと思います。もう1つはやはり価格。高性能なだけ高いです。5万円以上します。 これぐらいの値段のレベルのものが操作ミス等によりロストしてしまうと、かなりショック だと思います(^^;(2)Rize Tello 飛行安定性能はトイドローンの中でナンバーワンだと言われています。 本格ドローンの代名詞でもあるDJI社のテクノロジーが入っているこの機体は、DOBBYのように GPS内臓ではないですが、光学センサー内臓です。 下向きのセンターで地面を画像パターン認識し、それを元に機体がどちらに流れているかを 検知し、それに逆らって微調整する事で定点ホバリングを可能にしています。 プロポはなくスマホ操作のみなのですが、手放しでもピタホバ(ピタッとホバリング)して くれるので、逆に不要とも言えると思います。 動画は電子手振れ補正もしてくれるので、Telloで撮影した動画は他のトイドローンのそれと 比較にならないほど美しいです。 プロポなし、充電用のUSBケーブルなし(別途準備が必要)、と付属品を省略して本体で 勝負する機体。私が選択しなかった理由は2つ。 1つは、デザインがあまり好きではなかった事。何となくチープに見えてしまうのと 飾り気のない形に個性を全く感じなかった事が理由です。 もう1つは、私が購入を悩んでいた2018/3には、まだTelloは発売前の予約状態だった事。 4月中旬発売でした。 今やYouTubeでレビューが沢山上がっていますが、その時は未知数だったのと、届くまで 半月ぐらい待たなければならなかったので「時期がニーズに合わなかった」という理由で 残念ながらパスしました。 もしTelloの発売が1ヶ月早かったら、もしかしたら購入していたかも知れません。(3)VISUO XS809HW/EACHINE E58 2機種を一緒に書いている理由は、両方の形を見て頂けたら分かると思います。 2つとも、DJI社の「MAVIC PRO」という本格ドローンのパクリ・・・いや、MAVIC PROを インスパイアーしたデザインになっており、すごく似ています。 価格も形も性能も「似たりよったり」だと思うので、何を重んじでどちらにするかは 好みの問題だと思っています。 値段は7,000~8,000円台と上の2候補よりは安いです。その分機能面は落ちます。 形はEACHINEの方がMAVICに近いデザインだと思います。前後のアームを折りたたんだ時の 位置関係(上下)など完全に真似しています。プロポのデザインもDJI社のものを完全に 意識したものです。見た目だけで言えば私の中では僅かにEACHINEが優位でした。 VISUOの方が良いと思ったのは、EACHINEより大きさが一回り大きい事。重量もEACHINEの 96gに対して150g。重い分、風に煽られるのがマシだと思いました。 あとは操作可能距離が少し長かったり、飛行時間が少し長かったり、と細々とした部分で VISUOの方が優れていると思いました。以上より、数か月に渡り悩んでいたトイドローン選びはVISUO XS809HWに決定しました。キャリーバッグと予備バッテリー2本をセットで、約12,000円ぐらいで購入しました。これです。まずは折りたたんだ本体。アームを広げてプロペラガードを付けると、こんな感じです。キャリーバッグに詰めるとコンパクトです。プロペラ音も気にならず、大きさも丁度良く、デザインはすごく好みで、屋内で練習するも「早く外で飛ばしたい!」という欲求が高まりました。休日にその時間が出来たので飛ばしに行きましたが、何故か飛ばしに行くタイミングになればものすごい強風がビュンビュン吹いていたり、雨が降り出したり、で何度もフライトに失敗しましたが、3度目となる2018/4/28は弱風だったため、実家付近の川の土手付近で楽しく飛ばし、撮影をしていました。機体がそれなりの大きさなのでちょっとの風にも対抗出来ると思っていましたが、軽いのでそんな事はなく、やはり風が強いと簡単に流されてしまいます。出力を上げて風に逆らってホバリングする事も可能ですが、旋回を伴う動きをすると未熟な私は操作を誤って間違った方向にレバーを倒して墜落してしまったり、操作不能になり予想外の方に飛んで行ったりする事もありましたが、何とか運良く回収する事が出来ていました。機嫌を良くして、昨日2018/4/30もトイドローンを飛ばす時間があったので、今度は新しいスポットに繰り出しました。もっと見晴らしの良い河川敷で、高高度から撮影すると良い動画が撮影出来るのではないかと思って張り切って上昇させていました。上空は風があるっぽかったですが、操作で対抗すれば何とか真上に近い位置を保てていました。スマホの画面越しに見るカメラ画像も綺麗で「これは過去最高だ」などと満足しながら飛ばしていると、高高度過ぎてコントロール電波が届かなくなったのか、プロポに全く反応しなくなりました。低い位置ならそのまま風に流されてどこかに激突など引っ掛かって終わり、なのですが今回はかなり上空高く飛んでいます。コントロール不能になったVISUOは風に流されて遠くに移動していきます。コントロールを失ったからと言ってプロペラが止まる訳ではなく、無操作のまま飛行を続けながら風に流されている状態。落ちて来ません。どんどん遠くに飛ばされ、もはや目視で「どこに落ちるか(どこまで飛ぶか)」を見守るしかありませんでした。。。向かった先は数100m先の施設方向。その屋根付近をかすめるように見えました。屋根に乗っかるかと思ったらその先に飛んで行く影が見えました。でもその先は見えず。視界から消えました。呆然としましたが、安価なトイドローンを買うという事はこういうリスクは常に付きまとっている事は理解していますし、いつかこんな時が来ると、どこか覚悟していた部分もありました。なので自分でも驚くほど冷静に、荷物を片付け、駐車している車に戻り、ドローンが飛んで行ったと思われる地点まで移動しました。施設の敷地内には無断で入れませんので外から見たり、近くの植え込みなどを見たり、もっと先まで飛んでいる可能性も高いので付近を数十分ほど探索しましたが見つからず。「まぁ仕方ないか。。」と諦めて帰宅しました。VISUOはお気に入りですし、せっかくキャリーバッグと予備バッテリーも買ったのに飛ばすのをやめてしまったり別の機種を買ったりするのはもったいないと思い、帰宅後すぐに同機種を購入しました。今日届きます。今朝、落下したかも知れない施設に電話をし「ラジコンヘリが飛んで来て回収している、などの情報がないか」問合せしましたが、現状ないとの事でした。見つかったら連絡するので連絡先を教えて欲しいと言って下さったのでお伝えしましたが、昨日の夕方から今までで見つかっていないのに今後見つかる事はないと思います。恐らくもっと先まで飛んで行ったのだと推測しています。さて今回のロストを反省し、今後どうするかです。VISUOには自分との距離や高度、あるいは電波の強度などが分かるようなものはありませんし電波が届かなくなったら自動帰還するような機能も付いていません。それが安価なドローンの宿命です。気を付けるべきは「高高度や遠距離など、電波が届かなくなる限界まで離して操作しない」なのは分かっていますが、油断してコントロール不能距離になってしまうかも知れません。そのリスクを減らすためには「操作可能距離を伸ばす」しかありません。飛行距離を伸ばす方法は、私の知っている限り二択です。VISUOは専用プロポで操作するのが基本ですが、VISUO本体のアンテナ、あるいはプロポのアンテナ、もしくは両方を改造して飛距離を伸ばす方法です。YouTubeにアンテナ改造の動画がいくつか上がっています。Visuo Siluroid XS809HW antenna modupgrade visuo xs809hw how to fix lost signal / cara memperjauh jangkauan sinyal2つ目は、電波が届かなくなり遠くに飛んで行ってしまった動画が悲しい音楽と共に流れていますが、私も全く同じ状況だったのでよく分かります(笑)。この方法は、分解しますしコードをハンダ付けしたりアンテナを立てる穴を開けたりするので、その技術が必要ですしリスクもあります。また、アンテナがいくらぐらいするのか調べましたが、そこそこ高いのも驚きです。もう1つの方法として、Wi-Fiエクステンダー(中継器)を使って距離を伸ばす方法です。プロポはVISUO本体としかペアリングしないので、中継器を使って飛距離を伸ばすのは難しいです。プロポで操作しても本体からのカメラ画像をWi-Fi経由でスマホに送信したりはしているので距離を伸ばす事によって「操作不能になった後も、スマホ画面を見ていればどこに飛んでどこに落下したかが分かるかも」はあるかも知れません。でもそれは根本解決ではありません。Wi-Fi中継器の恩恵を受けて操作するには、プロポでの操作を諦めてスマホ操作をするしかありません。スマホ画面は平らなのでレバー操作を指の感覚に頼る事が出来ず、難易度が非常に高くなるのが一般的な見解です。DOBBYやTelloのような安定して飛行する機体だと、飛行しているドローンから目を離してスマホ画面に目をやっても大丈夫なので良いでしょう。でもVISUOはそこまで安定していません。屋外で定点ホバリングするためには絶えずレバー操作をしている必要があります。そこで考えられるのが、スマホをレバーとボタンで操作するための「ゲームパッド」を使ってドローンを操作しようとする試みです。有名な動画はこれです。"DOBBY"をゲームパッドで操縦するためのセッティング方法ドローンを操作するスマホアプリの画面のボタンをゲームパッドのレバーやボタンに割り当てて操作します。プロポと同様の操作感で操る事が出来そうですが、リスクは操作画面をゲームパッドに割り当てるためにはアプリが必要ですが、そのアプリを使うためにはAndroidのRoot化が必須です。Root化はスマホの改造に当たりますしRoot権限が使える状態になるのでリスクがあります。ゲームパッドも色々ありますが、これらで操作出来ればプロポとあまり遜色なさそうです。値段も、アンテナ改造より安く済みそうです。PowerLead ワイヤレステレスコピックBluetoothコントローラACGAM AG-9055 BluetoothゲームパッドEpega PG-9025 bluetoothゲームコントローラーGameSir G3w PC Androidスマホ PS3対応コントローラーALLCACA ゲームパッド Bluetoothどちらの方法を取るか、考えさせられます。まだ結論は出てません。もう1つの選択肢として、距離に気を付けながら飛ばしつつも「ロストするリスクは必ずある」と腹をくくり、対策は取らない方法があります。ロストした時には新しいのを購入するという手です。私はVISUOをAmazonで購入しているので本体価格は7,000円台ですが、海外サイトで購入すると4,000円台で購入出来るところもあるようです。到着まで少し日数が掛かるので、それを許容出来るなら良いと思います。・・・何にせよ、今はトイドローンがすごく楽しいです。他人にご迷惑を掛ける事がないように心掛けながら、楽しく飛ばしたいと思います。