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テーマ:地震情報(629)
カテゴリ:3.11被災地レポートその1
2011年5月13日。小名浜港。曇り。
港の北へ車を走らせる。 元々の町を知らないから、これが真実かはわからないし 普段からそうゆう町かもしれない。 でも店を出てから歩いてる人を見かけない。 車も殆ど通っていない。 そう思ったところで目の前に無残な光景が現れた。 二ヶ月経った今でも道路の一面を家が塞いでいる。 港の端まで来るとまた現れた。 東京に戻ってきて分かったことだが YouTubeでもこの道は掲載されていて、それは いつ撮られてたものかちょっと確認出来なかったが 私が見た光景よりもひどかった。 これでも綺麗になった方だったのだ。 港の一番端に停め、車を降りると目の前には また無残な光景が広がっている。 下りた瞬間。猫の鳴き声が何処からともなく聞こえてきた。 猫の言葉が分かってるつもりはないが、子供の頃 飼っていたこともあり、その鳴き声がなんと言ってるか 分かった気がした。 私の経験上だとその泣き声は明らかにお腹が空いている。 私も声を出し、呼びかけてるとすぐに猫は寄ってきた。 お腹が空いてるだけじゃない。主がいなくなったのか 凄く寂しかったと言ってる気がするくらいの 悲痛な鳴き声だった。 私は東京から出発して入ったICで買ったお菓子を その猫に渡した。 本来だったら人間には寄りつかない猫だったかもしれない。 でも私の存在を気にせずにあげたお菓子を夢中で食べていた。 そのころ地元の漁師と思われる人達が、港の様子を 見に来ていた。 二ヶ月経った今も途方に暮れている様だった。 ここに来る間に見てきた無残な光景を思い出すと 気軽に声をかけることも出来なかった。 足下でお菓子を食べ終わった猫が、その代わりに色々 教えてくれた気がした。 「ここには誰もいないよ。声かけてもみんな自分で 精一杯なんだ。行政もこの一言であとは放置状態なんだよ」 その猫が見せてくれたのがこれだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.05.16 13:44:44
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